6:00 PM - 7:00 PM
[I-P03-01] 大動脈弁狭窄を合併した肺動脈閉鎖兼正常心室中隔症の予後についての検討
Keywords:肺動脈閉鎖兼正常心室中隔, 大動脈弁狭窄症, 類洞交通
【背景】大動脈弁狭窄(vAS)を合併した肺動脈閉鎖兼正常心室中隔症(PA/IVS)の報告は少なく、臨床経過および予後については知られていない。
【目的】vASを合併したPA/IVSの臨床経過と予後を明らかにすること。
【対象および方法】1981年から2016年に当院で単心室型修復を選択したPA/IVS 100例でvASを合併した例(vAS群)の心エコー検査における大動脈弁流速(cm/sec)、最大圧較差(mmHg)を検討し、出生体重、カテーテル検査所見、予後について非vAS群との二郡間比較を行った。
【結果】vAS群の入院時心エコーは大動脈弁流速(cm/sec)中央値 223.5(176-415)(以下中央値で示す)、最大圧較差(mmHg)21(12-69)であった。1例で中等度の大動脈弁逆流を認めた。出生体重(g)2558(1100-3278)/2806(485-3855)、右室拡張末期容量対正常比(%)15(6-19)/20.4(5-97.4)、Qp/Qs 1.45(1.02-2.25)/1.76(0.29-5.02), 左室駆出率(%)60.9(54-63)/61(46-81)で両群間に有意差はなかった。PA-IVS全体の死亡例は17例(17%)でvAS群/非vAS群4例(57.1%)/13例(13.9%)であった。右室依存性冠循環(RVDCC:主要冠動脈の1枝以上狭窄または途絶)を21例(21%)認め、死亡はRVDCC群/非RVDCC群5例(23.8%)/12例(15.1%)と非RVDCC群は比較的予後は良好であったが、非RVDCC群でもvAS群/非vAS群3例(50%)/9例(12.3%)とvAS群は予後が悪かった。死亡時期は姑息術前 1例、姑息術後3例(うち1例は周術期死亡)であった。死亡原因は2例が突然死(姑息術前例および術後1例)、1例が姑息術直後の高肺血流に伴う急性心不全、1例が詳細不明であった。生存例はFontan術に到達した例が1例であり、1例は完全左脚ブロックによる高度心室同期不全に対して心臓再同期療法を施行した。
【結論】単心室修復選択したRVDCCでないPA/IVSの予後は良好であると報告されているが、vASを合併した場合は予後不良であった。死亡時期は全例姑息術前後で、突然死のリスクが高く、出生後より十分な注意が必要である。
【目的】vASを合併したPA/IVSの臨床経過と予後を明らかにすること。
【対象および方法】1981年から2016年に当院で単心室型修復を選択したPA/IVS 100例でvASを合併した例(vAS群)の心エコー検査における大動脈弁流速(cm/sec)、最大圧較差(mmHg)を検討し、出生体重、カテーテル検査所見、予後について非vAS群との二郡間比較を行った。
【結果】vAS群の入院時心エコーは大動脈弁流速(cm/sec)中央値 223.5(176-415)(以下中央値で示す)、最大圧較差(mmHg)21(12-69)であった。1例で中等度の大動脈弁逆流を認めた。出生体重(g)2558(1100-3278)/2806(485-3855)、右室拡張末期容量対正常比(%)15(6-19)/20.4(5-97.4)、Qp/Qs 1.45(1.02-2.25)/1.76(0.29-5.02), 左室駆出率(%)60.9(54-63)/61(46-81)で両群間に有意差はなかった。PA-IVS全体の死亡例は17例(17%)でvAS群/非vAS群4例(57.1%)/13例(13.9%)であった。右室依存性冠循環(RVDCC:主要冠動脈の1枝以上狭窄または途絶)を21例(21%)認め、死亡はRVDCC群/非RVDCC群5例(23.8%)/12例(15.1%)と非RVDCC群は比較的予後は良好であったが、非RVDCC群でもvAS群/非vAS群3例(50%)/9例(12.3%)とvAS群は予後が悪かった。死亡時期は姑息術前 1例、姑息術後3例(うち1例は周術期死亡)であった。死亡原因は2例が突然死(姑息術前例および術後1例)、1例が姑息術直後の高肺血流に伴う急性心不全、1例が詳細不明であった。生存例はFontan術に到達した例が1例であり、1例は完全左脚ブロックによる高度心室同期不全に対して心臓再同期療法を施行した。
【結論】単心室修復選択したRVDCCでないPA/IVSの予後は良好であると報告されているが、vASを合併した場合は予後不良であった。死亡時期は全例姑息術前後で、突然死のリスクが高く、出生後より十分な注意が必要である。