The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

複雑心奇形

Poster (I-P03)

Fri. Jul 7, 2017 6:00 PM - 7:00 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Hiroshi Ono(Division of Cardiology, National Center for Child Health and Development)

6:00 PM - 7:00 PM

[I-P03-03] 肺動脈閉鎖に伴うpulmonary blood sourceの術前評価(MAPCA, DAの鑑別は可能か?)

宇野 吉雅, 森田 紀代造, 篠原 玄, 中尾 充貴, 橋本 和弘 (東京慈恵会医科大学 心臓外科)

Keywords:肺動脈閉鎖, MAPCA, 動脈管

【背景・目的】肺動脈閉鎖(PA)を伴う複雑心疾患症例においては、適正かつ安定した肺血流を維持することが第一の治療目標となる。この場合、その多くは動脈管(DA)あるいは主要大動脈‐肺動脈側副血管(MAPCA)に依存しているが、この両者を鑑別しておくことがのちの治療方針選択に大きく影響する症例も少なくない。今回この鑑別診断に関して、いくつかの症例を提示しながらより正確な診断が可能かを検討していきたい。【対象・方法】肺動脈閉鎖を伴い、左右肺動脈と心室の連続性が絶たれていた複雑心疾患新生児症例4例を対象に、その臨床経過と手術経過より個々症例において術前後の鑑別診断が妥当であったか検討を行った。【結果】症例1,2はAsplenia+non-confluent PA形態で両側肺動脈につながる血管はそれぞれ腕頭動脈と大動脈弓小弯側より起始しており、前者はMAPCA、後者はDAと診断。症例3はTOF+PAで右左肺動脈血管は共に大動脈弓小弯側より分かれて起始、同上の診断。症例4はAsplenia+PA形態で右腕頭動脈より起始するMAPCAと思われる血管より左右PAが分岐していた。上記の診断のもと手術を行ったが、術中・術後の所見経過より症例3および4においては術前診断とは異なる判断に至った。【考察】現状ではMAPCA, DAの鑑別診断に際しては、起始部位、走行、周囲組織との位置関係といった画像による形態的所見と臨床経過中の形態変化やPG製剤に対する反応性等より総合的に判断し治療方針を選択しているが、実際には予期しない経過・結果に至り、方針の再考・変更を余儀なくされる場合も少なくない。より的確な診断を行うためには、より精密な画像診断等を含めた新たな方法が期待・検討される。【結語】肺動脈閉鎖に伴うpulmonary blood sourceとしてのMAPCA, DAの鑑別診断においては、より的確な診断が各症例のより安定した経過につながることより、さらなる努力が必要と考えられた。