The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

電気生理学・不整脈

Poster (I-P05)

Fri. Jul 7, 2017 6:00 PM - 7:00 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Yoshiaki Kato(Department of Child Health, Faculty of Medicine, University of Tsukuba)

6:00 PM - 7:00 PM

[I-P05-08] カテコラミン誘発性多形性心室頻拍症の一家系

佐藤 純一1, 斉藤 裕子1, 高田 展行2 (1.船橋市立医療センター 小児科, 2.君津中央病院)

Keywords:CPVT, RyR2, ICD

【はじめに】カテコラミン誘発性多形性心室頻拍症(以下CPVT)は、心臓突然死をきたす遺伝性不整脈である。今回、若年性突然死の家族歴のある一家系を経験した。【症例】患者は5人兄弟であり、母、母方祖母・叔母が30歳台で原因不明の突然死をしている。長男が12歳時に自転車に乗っていて突然死。3人の姉妹は失神歴(発症年齢は16,14,10歳)があり、運動負荷にて多形成心室頻拍を認め、CPVTと診断した。次男は、無症状であったが運動負荷試験にて多形成心室性期外収縮を認め、βブロッカーの投与を開始した。怠薬があり、家庭で突然死をきたした。遺伝子検索は、生存し診断の確定している姉妹3名とその子供4人(1人は失神の既往があるものの心室頻拍は見つかっていない)に同意を得て行った。5名にRyR2遺伝子のF4087Lに変異を認めた。2名はβブロッカー+ICD、1名はβブロッカー+Ca拮抗薬+ICD,1名はβブロッカーのみで加療している。無症状の2歳児には、今後投薬を開始する予定である。ICDの植え込み時期は、長女は第一子妊娠時に、次、三女は次男の突然死を契機に行い8-10年経過している。次、三女は、βブロッカーのみでは頻拍発作止まらずICD作動を10回以上起こしている。三女にはCa拮抗薬を加えた。【まとめ】家族内集積を認めたCPVTの家系を経験した。CPVTにICDは有効でないとの報告もあるが、本家族3名では頻拍発作の停止には有効であった。RyR2遺伝子に異常のある失神歴のある小学生男児1名については、今後、誘発試験を繰り返し、ICDの適応について検討。無症状の2歳女児については、投薬開始時期については検討中である。遺伝子の解析を行っていただいた国立循環器病研究センター 相庭武司先生に深謝いたします。