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[I-P06-06] 先天性心疾患周術期の不整脈に対するアミオダロンの有効性
Keywords:アミオダロン, 周術期, 血圧低下
【はじめに】先天性心疾患術後の頻脈性不整脈は、血行動態の破綻をきたしやすく、特にFontan術後例などでは上室性不整脈でさえ致死的になりうる。2013年11月から2016年7月までに当院で施行した先天性心疾患術後に頻脈性不整脈を合併し、静注アミオダロンを使用した症例に対し、その有効性、安全性を検討したので報告する。【対象】対象は32例(男:女=19:13、平均年齢18.7±37.1カ月)で、対象となる不整脈は、心房頻拍(AT)7例、接合部頻拍(JET)6例、上室頻拍(SVT)5例、心室頻拍(VT)5例、心室細動(Vf)、心房粗動(AFL)、心房期外収縮(PAC)、洞性頻脈の疑いそれぞれ1例、その他5例であった。先天性心疾患は単心室8例、左心低形成症候群6例、大血管転位、完全型房室中隔欠損3例、両大血管右室起始症、Fallot四徴症、総肺静脈還流異常2例、心室中隔欠損、大動脈弁上狭窄、修正大血管転位、大動脈離断、三尖弁閉鎖、純型肺動脈閉鎖1例であった。【結果】有効例16例、やや有効例11例、無効例5例であった。アミオダロンの使用時にペーシングが必要となった症例が19例(AAI10例、DDD5例、その他4例)であった。副作用として、血圧低下 5例、徐脈 2例を認めた。10例が死亡したが、アミオダロンに関連する死亡例はなかった。【考察】静注用アミオダロンの乳幼児に対する効果に関する検討は少ない。本研究で乳幼児の先天性心疾患術後不整脈に対しても静注用アミオダロンは比較的効果が高く、安全に使用できることがわかった。徐脈、血圧低下に伴い、ペースメーカの使用が必要な例があった。