Poster (I-P07)

[I-P07-03] 小児腎不全患者におけるカルニチンの心機能への影響

^○中野 克俊, 野木森 宣嗣, 浦田 晋, 林 泰佑, 清水 信隆, 三崎 泰志, 小野 博, 賀藤 均 (国立成育医療研究センター 循環器科)

Keywords:カルニチン, 心機能, 腎不全

【目的】小児腎不全患者に対してカルニチン投与が心機能に及ぼす影響を考察する。【方法】当院でカルニチン投与をうけている小児腎不全患者において、内服開始前後で心臓超音波検査が行われていた症例を対象とし、カルテを後方視的に検討し心機能への影響を検討した。【結果】対象となった症例は10例、カルニチン投与が開始された年齢の中央値は１歳10ヶ月（月齢4-4歳）、投与前のカルニチンの値は中央値31.9μmol/L（17.5-293）であった。心臓超音波検査の計測値は投与前の中央値がLVEF 77.0%（60.2-85.9）、IVSd +2.1SD（+0.3-+3.1）、LVPWd +2.0SD（+0.4-+4.1）、E/A 0.89（0.43-1.40）、E/e’ 11.4（7.6-16.5）、投与半年後のLVEF 78.5%（64.2-85）、IVSd +2.7SD（+1-+5.3）、LVPWd +1.5SD（-0.46-+4.3）、E/A 1.10（0.6-1.4）、E/e’ 11.3（7.1-15.5）、投与1年後のLVEF 72%（65-80）、IVSd +3.13SD（-0.63-+7.1）、LVPWd +1.7SD（-1.2-+5.7）、E/A 1.2（0.8-1.3）、E/e’ 10.3（8.6-19.4）であった。BNPの中央値は内服前8.7pg/ml（3.1-101.6）、半年後8.6pg/ml（3.2-300.4）、１年後4.9pg/ml（3.9-26.7）であった。いずれの段階においても内服前後で有意差は認めなかった。【結語】小児腎不全患者におけるカルニチン投与は、投与前後で心臓超音波検査の計測値およびBNPには有意な変化を認めなかった。今回はいずれも心機能正常例で症例数も少ない。今後は心機能が低下している症例に対しての影響や症例数を増やしての検討が望まれる。