The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

心筋心膜疾患

Poster (I-P07)

Fri. Jul 7, 2017 6:00 PM - 7:00 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Keiichi Hirono(Department of Pediatrics, Graduate School of Medicine, University of Toyama)

6:00 PM - 7:00 PM

[I-P07-07] 致死的不整脈を合併した左室心筋緻密化症例の小児例

木村 純人1, 安藤 寿1, 北川 篤史1, 高梨 学1, 峰尾 恵梨1, 杉本 晃一2, 石井 正浩1, 宮地 鑑2 (1.北里大学 医学部 小児科, 2.北里大学病院 心臓血管外科)

Keywords:左室心筋緻密化障害, 心室頻拍, 突然死

左室心筋緻密化障害(LVNC)と致死的な不整脈の合併は成人領域に対して小児領域では比較的少ないと考えられている。今回我々はLVNCに致死的な不整脈を伴った2症例を経験し、何れも救命し得た。文献的考察を添えて経過を報告とする。【症例1】1歳3ヶ月男児。生後1か月時に自宅にて顔色不良、心肺停止となり近医総合病院へ搬送、同院にて蘇生に成功したため、当院へ搬送となった。低体温療法を施行し、復温後に心室頻拍を来した。心室頻拍頓挫後に行った心電図にてQTcの延長(QTc=480)を認め、リドカイン及びメトプロロール投与を行ったがVTに対し無効であり、メキシレチン投与へ変更した。致死的なVTに対し、生後3か月時に開胸下埋め込み式除細動器(ICD)植え込み術を行った。当初の心臓超音波では左室拡大と内膜の輝度が上昇するのみであったが、心機能の改善とともに左室拡大は改善し、過剰な肉柱形成から心筋緻密化障害が明らかとなった。【症例2】13歳男児。幼児期に近医にてLVNCと診断され、その後当院にて経過観察を行っていた。小学校高学年頃より胸痛、ふらつき等を訴えたびたび受診するも明らかなものはなく、Holter心電図にて心室期外収縮を散見するのみであった。中学進学後胸痛は消失し、不登校も改善した。体育の授業中に倒れ、救急隊到着時には装着されていたAEDにてVT波形を認めた。その後心室細動へ移行したため除細動施行し当院へ搬送。当院到着時は洞調律であった。QT延長無いことを確認の上、低体温療法を施行。低体温中はQTの延長を認め、復温とともに改善したが、心室期外収縮が散発するようになったためアミオダロンを開始した。特発性心室頻拍に準じ、ICD植え込み術を施行。神経学的後遺症なしに退院となった。【結語】小児年齢における致死的不整脈を伴う心筋緻密化障害を2例経験した。1例は乳児例で不整脈を契機に診断がなされており、乳幼児突然死のリスク因子であると考えられた。