The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

心不全・心移植

Poster (I-P08)

Fri. Jul 7, 2017 6:00 PM - 7:00 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Takahiro Shindo(Department of Pediatrics, University of Tokyo Hospital)

6:00 PM - 7:00 PM

[I-P08-01] 心臓移植施設以外でのEXCOR治療の経験 ~小児病院におけるVAD治療~

清水 信隆1, 中野 克俊1, 野木森 宜嗣1, 浦田 晋1, 林 泰佑1, 三埼 泰志1, 武井 哲理2, 吉竹 修一2, 阿知和 郁也2, 金子 幸裕2, 賀藤 均1 (1.国立成育医療研究センター 循環器科, 2.国立成育医療研究センター 心臓血管外科)

Keywords:VAD, 重症心不全, 心臓移植

【緒言】小児重症心不全患者に対する心臓移植までの治療としてBerlin Heart社EXCORが2015年8月に保険収載され、小児心臓移植認定3施設での治療が行われてきた。2016年1月には当院を含めた6施設が新たに施設認定され、10月に当院1例目のEXCOR装着を経験し、現在安定した状態で心臓移植待機中である。本症例の経験を小児病院の特徴を踏まえて報告する。【症例】前医入院中の左室心筋緻密化障害の1歳男児。兄に同疾患の家族歴があり、月齢5にスクリーニング検査で左室拡大、収縮低下を認め、診断された。月齢9に感冒を契機に心不全を発症し、人工呼吸器管理、カテコラミン投与を含めた集中治療を要した。安定後もミルリノンを離脱できず入院を継続、2016年9月30日付で心臓移植登録を完了し移植待機中であった。10月上旬より再増悪し、12日カテコラミンを追加、INTERMACS profile 2でVAD治療が必要と評価された。18日移植施設を介して当院へ加療依頼があり、翌日両親に来院頂き、当院では小児VAD治療の経験がなく初めての症例であること、移植時には移植施設への搬送が必要になることを説明し同意を得た。20日当院へ搬送。27日にEXCOR装着術を施行した。術後3日に抜管、10日目に強心薬持続静注終了とした。19日目一般病棟へ転棟、現在まで明らかな感染、血栓イベントなく安定して経過している。【当院での対応】成人の心臓移植やVAD治療を経験のあった3施設と異なり、小児病院である当院では病院としてVAD治療の経験がなく、またMEの人員も少ない。事前に先行の移植施設のものを参考に当院でのマニュアル整備、移植施設への見学・研修、業者による説明会、院内勉強会を繰り返し行っていた。不十分な中での受け入れであったが、試行錯誤しながら順調に管理できている。心臓移植施行の際には緊急での搬送が必要になるが、搬送時の電源の確保や搬送シミュレーションを行うなどさらに準備を続けている。