The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

心不全・心移植

Poster (I-P08)

Fri. Jul 7, 2017 6:00 PM - 7:00 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Takahiro Shindo(Department of Pediatrics, University of Tokyo Hospital)

6:00 PM - 7:00 PM

[I-P08-02] 当院におけるEXCOR装着後心不全の経験

進藤 考洋1, 平田 康隆2, 白神 一博1, 朝海 廣子1, 平田 陽一郎1, 犬塚 亮1, 岩瀬 友幸2, 高岡 哲弘2, 益澤 明広2, 小野 稔2 (1.東京大学医学部附属病院 小児科, 2.東京大学医学部附属病院 心臓外科)

Keywords:EXCOR, 心室補助装置, 心不全

【背景】小児用心室補助装置であるEXCORの実施施設が増え、国内での経験が増加するとともに、長期化する装着期間中の心不全管理に難渋する症例もある。【目的】当院で経験したEXCOR装着後に生じた心不全症例について、その病態を考察する。【方法】EXCORを装着した7症例の診療録から、装着時年齢、観察期間、ポンプサイズ、装着前の心臓超音波検査所見、装着後の臨床症状・経過、胸部単純X線撮影所見、心臓超音波検査所見を抽出した。【結果】症例数7例(女性5例)で原疾患は拡張型心筋症5例、劇症型心筋炎後1例、左室心筋緻密化障害1例。平均装着時年齢3歳6ヶ月(2ヶ月~13歳2ヶ月、中央値1歳3ヶ月)。平均観察期間12ヶ月(1~26ヶ月、5ヶ月)。装着後に肺鬱血を来した症例は2例、ポンプのフィリング不良を来しやすい症例が1例あった。【考察】左心室補助を行っても右心不全を生じることがあり、そのような症例では両心室補助やカテコラミンを要する場合もあることが知られている。当院では重度の三尖弁逆流を伴う症例においてしばしばポンプのフィリング不良を起こしており、利尿剤の減量およびポンプ拍出回数の調整で対応しているが、カテコラミンなどの治療は要していない。肺鬱血を来した2症例においてポンプ回数増加やサイズ変更、利尿剤の増量を要した。これらの症例では心臓超音波検査上、他の症例に比して装着後の僧帽弁逆流が重症であり、左室拡大とともに進行性の経過を示した。EXCOR装着時に僧帽弁を形成した1例では装着後の僧帽弁逆流が軽度であり、左心不全症状は呈していない。僧帽弁を形成しなかった6例の装着前僧帽弁逆流は全例で2度相当と評価しており、装着後の重症化を予想するのは困難であった。【結論】左心室補助を行った症例において、原病の進行などの理由で右心不全が起こり得るだけでなく、左心不全も起こり得る。