Poster (I-P08)

[I-P08-03] Berlin Heart EXCOR装着後に国内心臓移植に到達した小児重症心不全の2症例

^○渡邊 卓次¹, 上野 高義¹, 平 将生¹, 小澤 秀登¹, 木戸 高志¹, 金谷 知潤¹, 松長 由里子¹, 奥田 直樹¹, 成田 淳², 小垣 滋豊², 澤 芳樹¹ (1.大阪大学大学院医学系研究科 心臓血管外科, 2.大阪大学大学院医学系研究科 小児科)

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【背景】Berlin Heart EXCORが保険償還され、体格が小さい小児重症心不全患者に対するBridge to Transplantation（BTT）としての補助人工心臓（VAD）導入患者が増加している。一方で、国内での小児からの臓器提供が少ない為、海外での心臓移植に頼らざるを得ない現状がある。その中で、当院ではBerlin Heart EXCORを装着し、国内心臓移植まで到達した小児重症心不全の2症例を経験したので報告する。
【症例1】拘束型心筋症（RCM）、肺高血圧症（PH）の男児。心臓移植登録後、RCMによる二次性PHの進行を来し、1歳1か月、体重8.2kg、BSA 0.41でBerlin Heart EXCOR植込み術を施行した。術前PAP 65mmHg, PCWP 24mmHg, PVRI 13.2Uであったが、術後1か月でそれぞれ24mmHg, 12mmHg, 2.3Uと著明な改善を認めた。その後VAD装着期間45日で心臓移植を施行し、術後も肺高血圧治療薬の内服を継続しており、移植2年が経過した現在も全身状態は良好である。
【症例2】拡張型心筋症（DCM）の女児。4か月時に心不全症状が出現し、心不全加療を行うも体重増加を見込めず、INTERMACS profile 2と判断して8か月時にBerlin Heart EXCOR植込み術（装着時体重 3.9kg, BSA 0.26）を施行。術後0.1kg/月の体重増加が得られ、歩行可能になるなど十分な成長発達が得られた。またデバイス関連合併症としての脳血管障害、出血性イベント、感染症はなく、VAD装着期間661日で心臓移植に到達した。なお、VAD装着中にポンプ交換を2回施行した。
【まとめ】Berlin Heart EXCORを用いて安全にBTTを行いえた小児重症心不全の2症例を経験した。