18:00 〜 19:00
[I-P08-04] 2歳未満発症の拡張型心筋症におけるbad outcome症例の検討
キーワード:心不全, 拡張型心筋症, VAD
【背景】小児用の補助人工心臓(VAD)であるEXCOR®が2015年8月に保険償還され、乳幼児のVAD装着症例が増加している。小児期の心臓移植へのbridging therapyとして有用である一方、VAD装着施設への相談や搬送のタイミングは難しい。
【目的および方法】乳幼児期重症心不全症例における現在のVAD装着のタイミングについての問題点を明らかにし、今後の改善につなげることを目的とした。当院に2006年5月から2017年1月までに入院した2歳未満発症の拡張型心筋症(DCM) (n=30)をbad outcome群(死亡または補助循環装置装着)の8例(7例が補助循環装置装着)とその他のDCM群22例に分けて心不全初診時年齢、基礎疾患、家族歴の有無、初診時のBNP値、左室拡張末期径(LVDd)、E/e`、左室駆出率(LVEF)、初診時のPedimacs Patient Profileなどについて診療録を用いて後方視的に比較検討した。
【結果】Bad outcome群では心不全発症時年齢は有意に若く(中央値 51日vs 136日; P<0.01)、8例中2例で家族歴を有し、3例で基礎疾患(Barth症候群2例、ミトコンドリア心筋症1例)を有していた。搬送時のPedimacs Profile 1が2例で、いずれもVAD装着前にECMO装着を必要とし、全身管理に難渋した。1例はVAD装着後に脳出血を合併した。Profile 2が4例、Profile 3以下が2例であった。Bad outcome群ではその他のDCM群と比してBNPおよびLVDd・LVEFには有意差ないが、拡張能指標であるE/e’が有意に高かった(p<0.01)。
【考察】Bad outcomeの症例は発症月齢が早く、収縮不全に加え拡張能指標の悪いことが示された。一方で搬送時のPedimacs Profileが1-2での搬送例が多く、このような症例では、術前後の管理が困難でまた合併症のリスクも高い。搬送のタイミングをもう少し早く考える必要があり、状態悪化前から心臓移植施設との情報共有が重要と考える。
【目的および方法】乳幼児期重症心不全症例における現在のVAD装着のタイミングについての問題点を明らかにし、今後の改善につなげることを目的とした。当院に2006年5月から2017年1月までに入院した2歳未満発症の拡張型心筋症(DCM) (n=30)をbad outcome群(死亡または補助循環装置装着)の8例(7例が補助循環装置装着)とその他のDCM群22例に分けて心不全初診時年齢、基礎疾患、家族歴の有無、初診時のBNP値、左室拡張末期径(LVDd)、E/e`、左室駆出率(LVEF)、初診時のPedimacs Patient Profileなどについて診療録を用いて後方視的に比較検討した。
【結果】Bad outcome群では心不全発症時年齢は有意に若く(中央値 51日vs 136日; P<0.01)、8例中2例で家族歴を有し、3例で基礎疾患(Barth症候群2例、ミトコンドリア心筋症1例)を有していた。搬送時のPedimacs Profile 1が2例で、いずれもVAD装着前にECMO装着を必要とし、全身管理に難渋した。1例はVAD装着後に脳出血を合併した。Profile 2が4例、Profile 3以下が2例であった。Bad outcome群ではその他のDCM群と比してBNPおよびLVDd・LVEFには有意差ないが、拡張能指標であるE/e’が有意に高かった(p<0.01)。
【考察】Bad outcomeの症例は発症月齢が早く、収縮不全に加え拡張能指標の悪いことが示された。一方で搬送時のPedimacs Profileが1-2での搬送例が多く、このような症例では、術前後の管理が困難でまた合併症のリスクも高い。搬送のタイミングをもう少し早く考える必要があり、状態悪化前から心臓移植施設との情報共有が重要と考える。