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[I-P09-05] 肺動静脈奇形に対しTCPC術後15年で血行再建し、チアノーゼが改善した多脾症候群の女性例
Keywords:肺動静脈奇形, TCPC術後遠隔期, 多脾症候群
【はじめに】Fontan循環構築のためにtotal cavopulmonary shunt(TCPS)を経てtotal cavopulmonary connection(TCPC)に到達した場合、術後遠隔期の合併症としてpulmonary arteriovenous malformation(PAVM)の発生頻度が高いとされている。TCPCから15年を経てチアノーゼが急速に増悪し、再度外科介入した症例を報告する。【症例】18歳、女性。多脾症候群、単心室、左側上大静脈、下大静脈欠損、半奇静脈結合。1歳4ヶ月時にTCPS(LSVC-LPA吻合)施行、2歳3ヶ月でhepatic vein(HV)をRPAへ導管で繋ぎTCPCへ変換した。術後12年頃からSpO2徐々に低下、心カテ検査でPA圧13mmHg、HVは右肺へ還流しており左肺にPAVMがみられた。2年後にはSpO2 70%前後へ急速に低下、NYHAもIII程度まで悪化したため、HVをLPAへ有効に還流させることを目的に外科介入した。【術式】HVからの導管を頭側の右側無名静脈へ吻合し、LSVCで静脈還流が全て混合されるようにした。【結果】術後PA圧は術前と変わらず、術後2ヶ月でSpO2 91%まで改善、NYHAII程度まで回復した。【考察】同様な症例報告では、HV-hemiazygos吻合による再建が予後良好であったとされており、SundareswaranらはCMRによるflow simulationで同方法の有効性を示している(J Am Coll Cardiol Img 2009;2:1024-1030)。しかし本症例では、HVとhemiazygosの間に食道、椎体、Aoがあり吻合が困難と判断され今回の術式とした。HVうっ滞による導管内血栓や肝うっ血が懸念されたが現状では問題なく、初回TCPCから長年経過していたが術後短期間でチアノーゼが改善した。Prausらは自験例をまとめ、遠隔期の症例でもPAVMに対してはHV還流が唯一の治療法であり、血行再建しない場合は予後不良であると報告している(Int J Card 2014;172:477-479)。TCPC術後のPAVMに対しては、本症例のように術後遠隔期であっても積極的な外科介入を検討すべきであり、本術式も考慮されるべきと考えられた。