第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター

外科治療

ポスター (I-P14)
外科治療 1

2017年7月7日(金) 18:00 〜 19:00 ポスターエリア (1F 展示イベントホール)

座長:櫻井 一(中京病院 心臓血管外科)

18:00 〜 19:00

[I-P14-01] 剣状突起下アプローチ小切開による心房中隔欠損閉鎖術の検討

夫津木 綾乃, 小沼 武司, 鳥羽 修平, 伊藤 温志, 阪本 瞬介, 山本 直樹, 真栄城 亮, 金光 真治, 島本 亮, 高尾 仁二, 新保 秀人 (三重大学医学部 胸部心臓血管外科)

キーワード:MICS, ASD closure, Transxiphoid approach

【背景】心臓血管外科領域における小切開手術のメリットは美容、疼痛の軽減、胸骨固定や運動制限の緩和等があるが、視野確保、安全性、手術時間といった点において議論がある。当院では2000年から剣状突起下小切開による心房中隔欠損閉鎖術を行っている。【方法】2008年1月から2012年12月までに行った剣状突起下アプローチ小切開の13例(A群)と、2015年3月から2017年1月までに行った皮膚小切開・胸骨部分切開アプローチの16例(B群)を比較検討した。【結果】剣状突起下アプローチ(A群)の手術時年齢は平均55.8ヵ月、手術時体重は平均15.kg、皮膚小切開アプローチ(B群)の手術時年齢は平均84.8ヵ月、手術時体重は平均22.kgだった。A群では12例でdirect closure、1例でpatch closureを行った。手術時間は平均117.9分、体外循環時間は44.8分、大動脈遮断時間は17.4分であった。皮膚切開長は平均54mmだった。全例無輸血で手術を行っている。B群では8例でdirect closure、8例でpatch closureを行った。手術時間は平均226.4分、体外循環時間は63.3分、大動脈遮断時間は24.6分であり、皮膚切開長は約70mmであった。手術時間、体外循環時間、大動脈遮断時間で有意差をもって(P<0.05)A群で短かった。A群の1例で貧血を認め、B群の1例で心膜炎、1例で肥厚性瘢痕を認めた。【結語】今回の検討では剣状突起下アプローチは、皮膚小切開・胸骨部分切開と比べて皮膚切開長が短く、さらに手術時間や体外循環時間も短かった。剣状突起下アプローチは手術侵襲という観点からも有用な方法と考えられた。