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[I-P14-01] 剣状突起下アプローチ小切開による心房中隔欠損閉鎖術の検討
Keywords:MICS, ASD closure, Transxiphoid approach
【背景】心臓血管外科領域における小切開手術のメリットは美容、疼痛の軽減、胸骨固定や運動制限の緩和等があるが、視野確保、安全性、手術時間といった点において議論がある。当院では2000年から剣状突起下小切開による心房中隔欠損閉鎖術を行っている。【方法】2008年1月から2012年12月までに行った剣状突起下アプローチ小切開の13例(A群)と、2015年3月から2017年1月までに行った皮膚小切開・胸骨部分切開アプローチの16例(B群)を比較検討した。【結果】剣状突起下アプローチ(A群)の手術時年齢は平均55.8ヵ月、手術時体重は平均15.kg、皮膚小切開アプローチ(B群)の手術時年齢は平均84.8ヵ月、手術時体重は平均22.kgだった。A群では12例でdirect closure、1例でpatch closureを行った。手術時間は平均117.9分、体外循環時間は44.8分、大動脈遮断時間は17.4分であった。皮膚切開長は平均54mmだった。全例無輸血で手術を行っている。B群では8例でdirect closure、8例でpatch closureを行った。手術時間は平均226.4分、体外循環時間は63.3分、大動脈遮断時間は24.6分であり、皮膚切開長は約70mmであった。手術時間、体外循環時間、大動脈遮断時間で有意差をもって(P<0.05)A群で短かった。A群の1例で貧血を認め、B群の1例で心膜炎、1例で肥厚性瘢痕を認めた。【結語】今回の検討では剣状突起下アプローチは、皮膚小切開・胸骨部分切開と比べて皮膚切開長が短く、さらに手術時間や体外循環時間も短かった。剣状突起下アプローチは手術侵襲という観点からも有用な方法と考えられた。