第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター

外科治療

ポスター (I-P14)
外科治療 1

2017年7月7日(金) 18:00 〜 19:00 ポスターエリア (1F 展示イベントホール)

座長:櫻井 一(中京病院 心臓血管外科)

18:00 〜 19:00

[I-P14-04] 心内奇形を伴わない、左上大静脈-左房接合の1手術症例

高岡 哲弘, 平田 康隆, 益澤 明広, 岩瀬 友幸, 小野 稔 (東京大学医学部附属病院 心臓外科)

キーワード:LSVC, LA, 心内奇形

心内奇形を伴わない、LSVC-LA 結合の症例に対して手術を行い良好な結果を得たので報告する。症例は2歳9か月女児。肺炎で近医入院中、呼吸が改善するも酸素飽和度(SpO2)が92%と低値なためCT、心エコー施行。心内奇形を伴わない、LSVC-LA接合という稀な診断となった。心臓カテーテル検査では、LSVCがLA天井に接続し、造影剤は半奇静脈、奇静脈を経てRSVCも造影された。無名静脈はなかった。手術の方針として、LSVCをモニターしながらLSVC遮断によるLSVC圧の上昇幅次第で、心内re-routing かLSVC単純結紮を選択することとした。術中のLSVC遮断試験でLSVC圧は13mmHG から15mmHgへ上昇したのみであったため、手術はLSVC単純結紮のみで終了した。最終LSVC圧は14mmHGであった。この症例は稀な疾患であるが、手術方針を術中のLSVC遮断試験で適切に判断した上で決定し良好な結果を得ることができた。この症例に関して、文献的考察も含めて報告する。