The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

外科治療

Poster (I-P14)

Fri. Jul 7, 2017 6:00 PM - 7:00 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Hajime Sakurai(Department of Cardiovascular Surgery, Japan Community Healthcare Organization Chukyo Hospital)

6:00 PM - 7:00 PM

[I-P14-08] Down症における胸骨正中切開後にプレートを補強に用いた固定法の功罪

大沢 拓哉1, 櫻井 一1, 野中 利通1, 櫻井 寛久1, 小坂井 基史1, 野田 美香1, 大橋 直樹2, 西川 浩2, 吉田 修一郎2, 鈴木 一孝2, 大森 大輔2 (1.中京こどもハートセンター 心臓血管外科, 2.中京こどもハートセンター 小児循環器科)

Keywords:Down症候群, 胸骨固定, 胸骨変形

【背景】胸骨正中切開後の胸骨離開の発生頻度は0.4-5.9%と比較的低値であるがDown症においてはしばしば胸骨変形が見られる。今回我々はDown症における胸骨変形の頻度、その対策として当院で行っているメッシュ型プレートを用いた胸骨固定法に関してその利点と欠点を検討した。【方法】当院において2008年4月~2015年3月までのVSD、CAVSDでPABを施行した50例を対象とした。このうちDown症合併(D群)が34例、非合併(ND群)が16例だった。D群のうちPAB時のプレート使用例(D-P群)は5例で、PAB時プレート不使用例(D-NP群)は29例であった。術後の胸骨変形の評価は,二期的根治術前に行ったCTで、変形なし、突出型、陥凹型、離開型に分類した。【結果】ND群では胸骨変形は3/17例(18%)だったのに対し、D群では27/34例(79%)と有意(p<0.01)に高頻度だった。さらにD-NP群では25/29例(86%)で胸骨変形を認め、CT評価で変形のなかったものは4例(14%)のみで、胸骨離開型は7例(24%)、突出型は10例(34%)、陥凹型は8例(27%)に認めた。D-P群では5例中2例に突出型を認めた。SSIはD-NP群のみに3例発生し、D-P群では認めなかった。術前心胸郭比、出生体重、手術時期は、胸骨変形と明らかな相関関係は認めなかったが、手術時低体重(2.5kg以下)、術後心胸郭比が大きい症例では胸骨変形を来しやすい傾向があった。N-P群の中に根治術時にプレートを使用した症例が3例あったが、全てにプレート折損を認めた。【考察】Down症において高率に胸骨変形を認めた。それに対して当院ではプレートを用いた胸骨固定を行い若干発生頻度の低下を認めた。根治術時にプレートを使用した3例では、強度不足のため、胸骨変形を矯正する効果は得られず、むしろプレート破損し使用は控えるべきと思われた。今後はDown症合併例で体重3 kg以下程度のPAB時のみにプレート固定を行って行く方針である。