第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター

外科治療

ポスター (I-P14)
外科治療 1

2017年7月7日(金) 18:00 〜 19:00 ポスターエリア (1F 展示イベントホール)

座長:櫻井 一(中京病院 心臓血管外科)

18:00 〜 19:00

[I-P14-10] Blalock-Taussig短絡の人工血管流量調整を経皮的に可能とする簡易装置の開発

小西 隼人1, 島田 亮1, 本橋 宜和1, 佐々木 智康1, 勝間田 敬弘1, 根本 慎太郎1, 筒井 康弘2 (1.大阪医科大学医学部 胸部外科, 2.株式会社 東海メディカルプロダクツ)

キーワード:Blalock-Taussig 短絡, 動物モデル, 小型円筒形バルーン

【目的】適正な肺血流を得るためのBlalock-Taussig 短絡(BTS)の条件設定に決定的な指標は存在せず、単心室形態を持つ新生児や乳児等では、高肺血流に伴う深刻な合併症や死亡の発生が時に問題となる。かかる課題解決のため、経皮的に小口径人工血管の流量を制御するための簡単な装置を開発した。本研究では実臨床を模した動物モデルでの動作性を検証した。【方法】ポリウレタン製の小型円筒形バルーンとその中央部に接続した抗屈曲構造のエクステンションを介して皮下ポートに接続する構造を持つ装置。人工血管をバルーンに内挿し、ポートを介して生理食塩水を出し入れすることでバルーンを伸縮させ、人工血管内腔断面積の変化により流量の変化を得る。模擬循環回路でex vivoでの圧流量特性を評価し、生体内での性能を大型動物を用いたBTSモデル(左開胸、左鎖骨下動脈-左肺動脈を5mmPTFE graftで接続)で評価した。【結果】模擬循環回路ではバルーンの膨張、収縮に応じ再現性のある圧流量関係が得られた。BTSモデルにおいては、圧-ドップラー流量同時測定ワイヤーを用いた測定では、バルーン内容量に応じて人工血管のmean peak velocityとpeak velocityの時間積分の変化が本装置埋植直後と1カ月後で確認された。切除標本ではバルーンの構造的変化はなくバルーン動作に影響を与えるバルーン・人工血管間隙への組織浸潤も認めなかった。【結論】本装置のコンセプト検証は良好であった。更に長期にわたるBTSモデルの検証から耐久性及び安全性の面からの改良を行いたい。