第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター

外科治療

ポスター (I-P15)
外科治療 2

2017年7月7日(金) 18:00 〜 19:00 ポスターエリア (1F 展示イベントホール)

座長:橘 剛(北海道大学医学部 循環器・呼吸器外科)

18:00 〜 19:00

[I-P15-10] 未熟児PDAに対する外科治療

大中臣 康子1, 麻生 俊英1, 武田 裕子1, 太田 教隆1, 小林 真理子1, 岡田 拓1, 浅井 英嗣1, 豊島 勝昭2 (1.神奈川県立こども医療センター 心臓血管外科, 2.神奈川県立こども医療センター 新生児科)

キーワード:23週, 未熟児PDA, 発達評価

【背景】出生週数23週の超早産児は成育限界であり、その救命率は約50%、正常発達は救命者の2割以下とも言われる。合併する動脈管開存症(PDA)に対する外科治療についても、合併症や精神発達に及ぼす影響など、未だ問題点が多い。【方法】2004年5月から2012年12月まで、当センターで経験した、在胎週数23週の超早産時28例を対象とした。PDAに対し、まず内科的治療(Indomethacin:平均4±2回投与)をおこなった。内科的治療でPDA閉鎖が得られた14例をN群。内科的治療無効あるいはIndomethacinの副作用のため内科治療を中止し(9)、あるいは感染や腸管穿孔(4)、その他(1)で外科治療を優先した14例をS群。両群で手術成績と、1歳6カ月、3歳時の新版K式発達検査によるDQ( developmental quotient)を比較した。【結果】出生体重は、N群564±83g、S群619±76g。N群では消化管穿孔や呼吸不全により2例が死亡(日齢47、82)した。S群では死亡はなかった(p=0.14)。N群では平均2.3回のIndomethacin投与が行われ、中央値2日(0-111)でPDA閉鎖が得られた。S群での手術時日齢23.5日(6-178)、体重675g(500-869)。反回神経麻痺を2例に認めたが、乳び胸や新たな脳出血は認めなかった。精神発達について、DQ 85以上の正常発達は、修正1歳6カ月時で、N群2/11例、S群6/13例 (p=0.14)、修正年齢3歳時ではN群1/11例、S群5/13例 (p=0.08)で、S群が比較的良好であった。【結語】出生週数23週の未熟児PDAに対し外科的結紮術を施行した。死亡例はなく、合併症の少ない満足のいく治療成績であった。また、精神発達についても内科治療群と同等以上であり、内科的管理に固執することなく、外科治療に踏み切ることで、長期予後を改善する可能性がある。