1:05 PM - 2:35 PM
[I-PD2-01] Tracheobronchomalacia associated with congenital heart diseases
Keywords:気管・気管支軟化症, 先天性心疾患, 周術期管理
【目的】 先天性心疾患の周術期において、心血管に関連した気管・気管支軟化(TM/BM)の合併はその経過や予後に与える影響は大きく、呼吸管理に難渋して外科的手術介入を要することがある。ただし、TM/BMに対する治療方針は施設毎に異なり、明確な診断基準や重症度分類は未だ存在しないのが現状である。今回、当院における先天性心疾患に合併したTM/BM症例を振り返り、この疾患の傾向を捉えて治療方針の確立をめざす。【方法】 2009年から2014年までに先天性心疾患の周術期において、造影CT検査や気管支鏡検査にてTM/BMと診断した44例を対象とし、TM/BMに対する外科的手術介入の有無によって2群に分類して後方視的検討を行った:A群(介入あり)24例、B群(介入なし)20例。【結果】 先天性心疾患の内訳は、VSD 13例、CoA/IAA 7例、SV 5例、P弁欠損3例、血管輪 3例、HLHS 2例、TAPVC 2例など。A群ではdying spellや抜管困難を発症した症例が多く、A/B群のうち心臓手術後の発症例は14/4例。病変部位は、気管、左・右主気管支いずれかの単一病変が15/19例に対して、複数病変は9/1例。Oblateness IndexはA群 0.80±0.13、B群 0.66±0.12。TM/BMに対して、肺動脈前方転位術、大動脈/肺動脈吊上げ・縫縮術、血管輪離断術などを施行した。多変量解析では、dying spellや抜管困難およびOblateness Index≧0.70が外科的手術介入の有意なリスク因子となった。【結論】 心血管の拡大をきたす血行動態、心血管の形態や解剖学的位置関係によってTM/BMは発生しやすい。TM/BMが疑われる場合は速やかに造影CT検査や気管支鏡検査での評価を行って対処することが肝要で、Oblateness IndexはTM/BMの重症度判定に有用であると思われた。また、TM/BMの合併が多い心疾患群では、予め気道評価を行った上で治療方針の検討が必要となる。