The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Panel Discussion

Panel Discussion 2 (I-PD2)

Fri. Jul 7, 2017 1:05 PM - 2:35 PM ROOM 4 (Exhibition and Event Hall Room 4)

Chair:Masaki Osaki(静岡県立こども病院循環器集中治療科)
Chair:Takaaki Suzuki(埼玉医科大学国際医療センター小児心臓外科)

1:05 PM - 2:35 PM

[I-PD2-04] Management of pleural effusion associated with heart surgery.

Ayako Kuraoka1, Syota Muraji1, Kiyotaka Gou1, Tomoaki Sasaki1, Yuichiro Sugitani1, Yoshihiko Kodama1, Makoto Nakamura1, Kouichi Sagawa1, Shiro Ishikawa1, Toshihide Nakano2, Hideaki Kado2 (1.The department of pediatric cardiology, Fukuoka Children's Hospital, Fukuoka, Japan, 2.The department of cardiovascular surgery, Fukuoka Children's Hospital, Fukuoka, Japan)

Keywords:胸水, 胸膜癒着, 周術期合併症

【背景】小児心臓手術後の11-38%で胸水、0.6-6.6%で乳び胸水貯留があるとされ、遷延する胸水は周術期治療で難渋する合併症の一つである。治療法は種々あるものの各施設で臨床的に選択されているのが現状である。【目的】心臓手術後の遷延性胸水に対する治療の現状を明らかにすること。【対象・方法】当院で2015年1月から2016年12月に施行した心臓手術880例のうち、未熟児PDAや創感染・PMIなどを除き、かつ関連する再手術を同一手術とした785例について、遷延性胸水の有無と治療経過を診療録より後方視的に検討した。遷延性胸水は術後胸腔ドレーン留置7日以上、あるいは胸水再貯留を来たしたものとした。【結果】785例中78例(9.9%)で胸水によるドレーン留置が7日間以上、48例(6.1%)で再貯留がみられ、重複例を除き111例(14.1%)を遷延性胸水ありとした。手術時平均年齢は2.9歳(日齢0-21歳)で1歳未満が51例(46%)を占め、男児61例(55%)であった。単心室が61例(55%)でそのうち左心低形成症候群が24例(22%)含まれていた。術式はTCPC術26例(23%)、Norwood術12例(うちBDG同時手術5例)、TOF修復術11例、AVSD修復術10例の順に多かった。内科的治療のみで改善したのは103例で、利尿剤・脂肪制限に加えて絶食31例、サンドスタチン投与31例、ステロイド投与22例(重複あり)が選択されていた。難治例では側副血管に対するコイル塞栓を4例(TCPC4例)に施行し3例で有効、胸管結紮術を3例(Norwood2例、AVSD1例)に施行したが改善なかった。追加治療として1例でピシバニールによる胸膜癒着術、4例で自己血による胸膜癒着術(Blood Patch)を施行した。Blood Patchを施行した2例は治療後早期(8/6日目)にドレーン抜去可能となり、2例は緩徐に改善が得られた。【結語】難治性胸水では重篤な循環不全をきたす場合もあり、組織障害の程度が少ないとされるBlood patch法も選択肢の一つとして複数の治療法を組み合わせ、対処する必要がある。