The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Panel Discussion

Panel Discussion 3 (I-PD3)

Fri. Jul 7, 2017 4:15 PM - 5:45 PM ROOM 4 (Exhibition and Event Hall Room 4)

Chair:Hiroshi Date(京都大学呼吸器外科)
Chair:Shozaburo Doi(東京医科歯科大学小児科)

4:15 PM - 5:45 PM

[I-PD3-01] Lung transplantation for pulmonary hypertension:case study of severe patient without indication for lung transplantation from brain-dead donor

Yoshichika Maeda, Eriko Komiya, Yohei Yamaguchi, Syozaburo Doi (The Department of Pediatrics,Tokyo Medical and Dental University,Tokyo,Japan)

Keywords:肺高血圧, 肺移植, 移植適応

我が国で肺高血圧症(PH)の治療薬としてEpoprostenol(Epo)が導入されたのは1999年であるが、その位置づけは肺移植(LT)へのbridging therapyであった。しかしEpoの導入によりPHの予後がLTの5年生存率40~50%を上回る結果となり、PHに対するLTの位置づけは変化してきた。また、PHに対するLTは脳死両肺移植が標準とされるが、わが国では脳死肺移植はドナー不足が問題となる。脳死肺移植を待てない重症例では生体肺移植の適応となり、2015年末までにLT全体の40%弱で生体肺移植が行われているのが実情である。その適応の判断はEpoなどによる内科的治療を行っている小児科医だけでなく、各肺移植認定施設の判断が重要となり、移植登録や施設へのコンサルテーションのタイミングを熟知しておく必要がある。 今回われわれは、LTの適応を考慮し複数の肺移植認定施設にも相談した経験のある、特発性肺動脈性肺高血圧(IPAH)症例を提示することで、LTの適応やタイミングを再考したい。症例は1997年(8歳)にIPAHと診断された女性で、初診時から重症例で、当時国内で唯一のPH治療薬であるBeraprostを開始したが治療に難渋した。Epo治療の早期導入を勧めたが家族の同意を得ることが難しく、心房細動を合併したことを契機に2001年(12歳)よりEpo治療を開始できた。その後もPHは進行しEpoを増量し15年かけて120ng/kg/minまで増量し、その間は2005年以降に複数の経口標的治療薬を導入したが肝機能障害などの副作用もあり中断も余儀なくされた。PHの進行を止めることができず、肺移植を検討したが統合失調症の合併があるため脳死肺移植は適応でなく、生体肺移植の適応を相談していたが両心不全の進行により最終的に27歳で永眠した。