The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Presidential Lecture(broadcast)

Presidential Lecture(broadcast) (I-PL)
Make a professional work. Spin the works into the yarn of Life for the children with cardiovascular disease. "Introduction, Development, Turn and... Conclusion" in my Life”

Fri. Jul 7, 2017 10:35 AM - 11:05 AM ROOM 4 (Exhibition and Event Hall Room 4)

座長:横田 通夫(駿河西病院)

10:35 AM - 11:05 AM

[I-PL-B] 会長講演(中継)

坂本 喜三郎 (静岡県立こども病院)

私は、30年の間小児心臓外科医として命の線を引く努力してきた。会長講演をする立場となり、一度“自分がどのようにして線を引いてきたのか”を整理する機会を与えられたと感じた。外科医として生きてきた私の起承転・・を現在の眼で見つめ直すことを私の会長講演とすることをお許しいただきたい。
『点を繋げて、生命の線を引く:起』
知識と技術という点を獲得して、それを繋げることに一所懸命で過ごした日々。2年間のフランス留学を含む修練時代の約10年がこれにあたる。自分のことで無我夢中。
『点を繋げて、生命の線を引く:承』
どうにか手術で貢献できるようになり(周囲に認めてもらえた?)、心臓血管外科チームを引っ張り始めた37歳からの数年間。成績を向上させるために術式の改良・開発をしながら手術件数を増やしていった、最も元気な頃。思いが強すぎて周りと摩擦も生じることもあった。循環器チーム全体の拡大と循環器センターを含む新外科病棟の計画・建設が同時進行するなかで、命の線を引く仲間(点)が大きくなっていくことを実感していった。チーム作りを意識。
『点を繋げて、生命の線を引く:転』
外科医としての自分も、チームとしての循環器センターも安定期に入った40代後半からの現在に至る約10年間。自分で執刀・救命した子どもたちとその家族が抱えている・行く問題が自分の中ではっきりと実感できるようになった時期。成人先天性問題がクローズアップされていく時期と重なり、治療した子どものQALY(Quality-Adjusted Life Year)のさらなる向上目指すためには、こどもの人生を支援できるようもっと多くの点を繋げる必要があると考えるようになった。ひとりの限界とひとりの可能性を考えるようになる。
『点を繋げて、生命の線を引く:私の中での結を目指して・・』
4月から院長を拝命した。こころを新たにして“私が引くべき線は何なのか”自問自答する毎日を過ごしている。