8:40 AM - 10:25 AM
[I-S01-02] Evaluation of pre-Fontan hemodynamics: Fusion of cardiovascular catheterization and CMR
Keywords:Fontan型手術, CMR, 心臓カテーテル
【はじめに】Fontan型手術前の血行動態評価において,心臓カテーテル検査は主要なモダリティとして用いられている。しかしながら,心臓カテーテル検査は,両方向性グレン術後症例の血流量や心室容量はさまざまな仮定を経て算出される。一方,CMRは血流量・心室容量評価において正確性が高いとされる。【目的】Fontan型手術前検査で心臓カテーテル検査とCMRとを組み合わせて施行した症例の検討を通じて,この利点を検討すること。【対象・方法】2012年1月より2016年12月までの間に当院で心臓カテーテル検査とCMRとを組み合わせて評価を行った両方向性グレン術後の単心室症例24例を対象とし,検査目的・結果・経過などについて後方視的に検討を行った。なお, CMRの撮像にはMAGNETOM Symphony(Siemens社)1.5Tを用いた。【結果】24例に対し27組の検査を行った(検査時年齢3.1±1.7歳,3例が2組の検査を実施)。検査目的は,側副血行路(APC)の血流量評価(16例),左右肺血流不均衡症例における左右肺血管抵抗評価(7例),肺高血圧が懸念される症例(Cantrell症候群)における評価(1例)の3つに分類された。APC評価症例16例は全例塞栓術を行い,うち13例については塞栓術前後でCMRを行っており,APCは0.11±0.15ml減少した。16例中3例についてAPCが塞栓しきれず制御不能と判断した。左右肺血流不均衡症例7例のうち3例は肺動脈隔壁形成術(IPAS)施行後症例であり,1例は左右肺血管抵抗比が1.6/2.6単位(IPAS前: 2.0/6.5単位)に改善したため,IPAS解除のうえ開窓Fontan型手術を行った。残る4例は高肺血管抵抗側が低肺血管抵抗側の18.4±21.4倍(1例は血栓閉塞のため圧測定不能)あり,全例IPASを行った。Cantrell症候群症例は肺血管抵抗が2.3単位であり,開窓Fontan型手術を施行した。【まとめ】心臓カテーテル検査とCMRとを組み合わせることにより,肺血行動態にもとづくFontan型手術適応についての検討が可能となる。