The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Symposium

Symposium 2 (I-S02)

Fri. Jul 7, 2017 1:05 PM - 2:35 PM ROOM 1 (Exhibition and Event Hall Room 1)

Chair:Mikiko Ishido-Shimizu(東京女子医科大学循環器小児科)
Chair:Norihide Fukushima(国立循環器病研究センター移植医療部)

1:05 PM - 2:35 PM

[I-S02-04] The future of ventricular assist device in pediatric population

Yasutaka Hirata, Minoru Ono (The Department of Cardiac Surgery, The University of Tokyo Hospital, Tokyo, Japan)

Keywords:補助人工心臓, 小児, 心不全

2015年8月にBerlin Heart社のEXCOR Pediatricが承認される以前は、本邦においては小児の重症心不全治療に対しては内科的治療に限界がくればextracorporeal membrane oxygenation (ECMO)を用いるしかなかった。ECMOは先天性心臓手術の術後低心拍出症候群、あるいは劇症型心筋炎に対する治療としては非常に有用であるが、短期的な補助を目的としているため出血や感染などの合併症が起こりやすく、一般的には2週間から1ヶ月程度の使用が限界である。そのため回復の見込みのない重症心不全治療に長期的に使用するのは困難である。EXCORの承認に伴い小児の長期的な重症心不全治療に道が開けた。当院では治験を含めて計7例に装着し、5例が心臓移植に到達(海外4例、国内1例)、2例が待機中で全員生存している。国内の他施設における成績も良好で、装置の装着によって多くの症例が心臓移植に至ったことによって、今後の小児の重症心不全治療に対するデバイス治療の期待が高まっている。体格の比較的大きな小児では体表面積1.2m2であればJarvik 2000、体表面積0.7m2以上ではHVADが適応となる場合がある。植込み型補助人工心臓は退院が可能であり、これによって小児に対する移植の待機のオプションも広がる。特にドナーの少ない本邦においては長期予後に大きく寄与すると考えられる。しかしながら、 2010年7月に改正臓器移植法が施行されて15歳未満での脳死が認められるようになった以降も依然として小児のドナーは不足しており、特に6歳未満のドナー提供による心臓移植は2017年3月現在でわずか4例である。重症心不全の治療において、デバイスはあくまでも心臓移植へのつなぎであり、出口である心臓移植、すなわちドナーの提供の増加が望まれる。