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[I-S02-05] Special issues for the management of pediatric heart transplantation. How is the outcome of pediatric heart transplantation in Japan?
Keywords:心臓移植, 予後, 移植後管理
小児の心臓移植は、その適応から移植後管理に至るまで、成人とは異なる小児の特殊性がある。移植医療の現場では成人の移植チームと医療体制を共有しつつも、小児特有のさまざまな問題に対応可能な多職種チームの存在が必須である。小児の心臓移植では、移植適応を検討する移植前段階から、移植チーム―患者―家族の十分な相互理解と協力関係を築くことが重要である。移植後管理の質をあげるには、移植前から家族のコンプライアンスを確認(ときには軌道修正)し、待機中を通じてチャイルド・ライフ・スペシャリスト、臨床心理士、医療社会福祉士も加わった精神的・経済的支援が重要となる。適応検討時点では予測困難な問題(神経学的予後、発達障害)を抱えていることも少なくない。移植後の生活管理については繰り返し説明し理解を深めるとともに、生ワクチンを含めた可能な限りの感染症予防対策をしておく。移植の周術期管理では、移植心のサイズが大きいため2期的胸骨閉鎖や術後高心拍出に伴う高血圧の管理を要することがある。先天性心疾患に対する移植術では、解剖学的修復の評価や出血のコントロールが重要となる。移植後急性期の免疫抑制療法では、早期のCNI投与量減少をめざして抗サイトカイン受容体モノクローナル抗体(バシリキシマブ)を用いたプロトコールが使われるようになっている。移植後の管理では、身体発育に加えて精神運動発達の管理が重要である。特に、知的発達、心理社会的発達、集団への適応、服薬アドヒアランス、移行期の管理に取り組む必要がある。拒絶、感染症、PTLD、腎機能障害のモニターと管理は言うまでもないが、今後は突然死や再移植の問題も頭におく。以上のような、移植前から移植後まで一貫したきめ細かなチーム医療の実践と日本特有の環境が、日本の小児心臓移植後の成績に影響していると考えられるが、国内外のレジストリー研究に参加し検証していくことが求められる。