4:00 PM - 5:45 PM
[I-S03-05] Pathophysiology of end-diastolic forward flow in pulmonary arteries in repaired patients after right ventricular outflow tract reconstruction
Keywords:肺動脈拡張末期前方血流, 心臓MRI, 拡張能
【背景・目的】右室流出路再建(RVOTR)術後心における肺動脈拡張末期前方血流(end-diastolic forward flow, EDFF)は右室拘束性変化の代表的な所見とされる。しかし肺動脈弁逆流(PR)が増加し「右室化肺動脈」となった例では容易に検出されるため、EDFFが病的な右室低拡張能を反映するのか、その意義の検討は不十分である。【方法】対象は過去3年にRVOTR心に対して心臓MRIを撮像した例のうち、PR率(PRF)>25%の者149例(6~67歳、ファロー四徴症112例、男 90例)。1.5T Siemens Sonata Symphonyで撮像した肺動脈弁上レベルphase contrast画像からMedis社QFlowプログラムでQedff (L/min/m2)を測定した。また純肺血流量に対する割合(Fedff, %)を求めた。cine MRIから体表面積補正を行った左右心室(LV/RV)拡張・収縮末期容積(EDVI/ESVI)、1回拍出量(SVI)、駆出率(EF)を計測し、PR・三尖弁逆流絶対量(Qpr, Qtr, L/min/m2)も算出した。患者背景因子、ANP・BNP値(pg/mL)、最高酸素摂取量(年齢・性別で補正)、四肢下方誘導のP波高(mV)、QRS幅(ms)を検討項目とした。【結果】EDFFは140例(94%)で陽性であり、PRFとQedffは関連しなかった(p>0.1)。Qedffは心房頻拍既往者で多く(0.28 vs 0.21, p = 0.026)、RVEDVI(r = 0.26, p = 0.016)、RVSVI(r = 0.33, p<0.01)、Qpr(r = 0.34, p<0.01)、P波高(r = 0.34, p<0.01)と正相関した。Fedffは上記の他にlogANP値(r = 0.48, p<0.01)と正相関した。多変量解析でFedffはlogANP値(p<0.01)、P波高(p = 0.01)と独立して関連した。同時期にRV拡張末期圧(RVEDP)を測定した62例において、RVEDPはQedffともFedffとも相関しなかった(p>0.1)。【結論】中等度以上のPRを持つ患者は逆流率に関わらず普遍的にEDFFを呈する。EDFFは右室容量負荷、心房負荷で増加し、心房低電位で減少することから、右室拘束性変化を表すというより、残存心房機能を反映すると考えた方が理解しやすい。