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[II-EOP05-04] Vineland-II適応行動尺度を用いたFontan術後患者の社会適応評価
Keywords:Fontan, 発達, Vineland
【背景】Vineland-II適応行動尺度(Vineland)は世界的に標準化された適応行動の評価尺度である。0歳から92歳の幅広い年齢を対象に、コミュニケーション、日常生活スキル、社会性、運動スキルの「領域標準得点」と、それらを総合した「適応行動総合点」(平均100、標準偏差15の標準得点)によって、対象者の社会適応水準を客観的に数値化できるのが大きな特徴である。【対象】神奈川県立こども医療センターでVinelandを行ったFontan術後患者53人(1-26歳、平均6歳)。【方法】当院でこれまで行ってきた発達評価尺度である新版K式発達検査(K式)、WISC-IV知能検査(WISC)とVinelandの関連を検討する。Vinelandの総合点で正常(85点以上)に寄与する因子を検討する。検討項目は(1)胎児診断の有無、(2)低出生体重児、(3)初回on-pump手術時日齢、(4)手術回数、(5)Glenn手術到達月齢、(6)Fontan手術到達月齢、(7)動脈血酸素飽和度、(8)中心静脈圧、(9)BNPの12項目とした(7、8、9はFontan手術後約1年の評価カテーテル時の値を採用した)。【結果】Vinelandの総合点とK式の全領域発達指数、WISCの全検査知能指数は正相関を示した(N=19、R=0.93、p<0.0001)(N=25、R=0.64、p=0.0006)。Vinelandの総合点が正常であることに寄与した因子は単変量解析で初回on-pump手術時日齢のみであった(Odds比:1.01、p値:0.04)。また、ROC曲線よりVinelandの総合点での正常を予測する初回on-pump手術時日齢のカットオフ値は115日であった(感度:0.69、特異度:0.7、AUC:0.71)。【結論】Vineland-II適応行動尺度は従来発達評価尺度として用いてきた新版K式発達検査、WISC-IV知能検査の2検査と正相関を示した。初回On-pump日齢が遅いことは正常社会適応に寄与し、そのカットオフ値は115日であった。