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[II-EOP07-03] 先天性心疾患は出生後の発育不良に影響を与えるか?
Keywords:先天性心疾患, 低出生体重児, 子宮外発育遅延
【背景】極低出生体重児(VLBWI)において頭囲の子宮外発育遅延(EUGR)が神経発達障害のリスク因子であるとの報告があるが、先天性心疾患(CHD)がEUGRの原因となるかは明らかでない。【目的】VLBWIにおいてCHDが修正40週時の体重、頭囲に影響を与えるか検討する。【方法】2010~2016年に出生し当院に入院したCHD合併VLBWIの中から愛護的ケアのみを行った5例、染色体異常6例、修正40週前に死亡した3例、転院した6例を除外した12例を対象とした。このCHD群に対して出生時期、在胎期間、出生体重をマッチさせたCHDのない対照群24例を抽出。両群の修正40週時点での体重、頭囲とそれぞれの成長速度(出生時から修正40週のSD値変化:ΔSD)を比較した。修正40週時の体重、頭囲が10% tile未満を、それぞれ体重EUGR、頭囲EUGRと定義した。【結果】両群の在胎期間、出生体重、出生時頭囲に差はなかった。CHD群は在胎27週5日(26週0日-35週1日)、出生体重836g(504-1440)。以上は中央値(範囲)。疾患症例数はVSD 3、ASD 3、CoA/IAA 3、PAVSD/MAPCA 1、CoA合併単心室1、肺動脈狭窄1。修正40週前に動脈管結紮以外の手術施行例は5例。修正36週時の慢性肺疾患、消化管穿孔の発症に有意差はみられなかったが、CHD群で敗血症が多く、経腸栄養100ml/kg/day到達日齢が遅い傾向がみられた。体重EUGRはCHD群11/12例vs 対照群23/24例で有意差はないが、40週時の体重SD値はCHD群で有意に低く(p=0.016)、体重ΔSDも低かった(-1.93(-5.37 to -0.73) vs -1.20(-3.51 to -0.33);p=0.0496)頭囲EUGRはCHD群5/11 vs 対照群2/22 (欠損値あり)で、CHD群で有意に多く(p=0.027)、頭囲ΔSDも有意に低かった(p=0.022)。【結論】CHD群で頭囲EUGRが有意に多く、体重ΔSD、頭囲ΔSDが低かった。VLBWIにおいてCHDはEUGRのリスク因子となりうることが示唆された。より積極的な経静脈栄養、消化管合併症予防のための母乳栄養など、栄養法の改善が求められる。