18:15 〜 19:15
[II-EOP07-08] オシロメトリック法血圧計による血管の硬さ評価(AVIとAPI)
キーワード:oscillometric, stiffness, AVI
【背景】血管の硬さは、心室の後負荷であり、神経調節の結果である。血管の硬さを簡便に評価できれば、病態評価や経過フォローに有用と考えられる。オシロメトリック法は、血管の硬さを簡単・短時間・非侵襲的に評価でき、魅力的と考えられる。しかし小児の報告はわずかで、その意義は確立されていない。
【方法】対象は小児循環器外来を受診した患者・家族、病院スタッフの希望者。CHD、川崎病からなる心疾患群(各22と2名、6-33歳、中央値9.6歳)、非心疾患群(58例、9.8-75歳、中央値41.3歳)。それぞれ中心動脈、上腕動脈の硬さの指標である、Arterial velocity pulse index (AVI), Arterial pressure volume index (API)と血圧・心拍数は、志成データム社製パセーサで測定した。安静座位でマンシェットを上腕に巻き、約2分かけて計測した。AVIやAPIと血行動態や群との関連を探索的に検討した。
【結果】非心疾患群で収縮期血圧、脈圧、AVIは年齢とともに有意に増加、APIも増加の傾向を示した。このため、年齢分布を近づけるため、以下、非心疾患群で35歳未満(13名)を抽出して、心疾患群と比較した。年齢を加味してAVI、APIを比較した(ANCOVA)ところ、AVIは心疾患群で有意に高値を示し(P=0.0198, β=0.50)たが、APIは両群で有意な差異を認めなかった(P=0.59)。APIは年齢・群でなく、脈圧が大きくなるに従い増加した(P=0.0083)。AVIとAPIの相関は認めなかった。
【結論】小児心疾患では動脈の硬さの分布が一様でなく、上腕でなく中心動脈に硬化の存在が示唆された。本検討に含まれる正常小児のNは少なく、今後、小児血管評価におけるAVI・APIを正しく解釈するためには、正常小児例のデータの蓄積と、年齢ごとの正常域の構築がまず必要と考えられた。
【方法】対象は小児循環器外来を受診した患者・家族、病院スタッフの希望者。CHD、川崎病からなる心疾患群(各22と2名、6-33歳、中央値9.6歳)、非心疾患群(58例、9.8-75歳、中央値41.3歳)。それぞれ中心動脈、上腕動脈の硬さの指標である、Arterial velocity pulse index (AVI), Arterial pressure volume index (API)と血圧・心拍数は、志成データム社製パセーサで測定した。安静座位でマンシェットを上腕に巻き、約2分かけて計測した。AVIやAPIと血行動態や群との関連を探索的に検討した。
【結果】非心疾患群で収縮期血圧、脈圧、AVIは年齢とともに有意に増加、APIも増加の傾向を示した。このため、年齢分布を近づけるため、以下、非心疾患群で35歳未満(13名)を抽出して、心疾患群と比較した。年齢を加味してAVI、APIを比較した(ANCOVA)ところ、AVIは心疾患群で有意に高値を示し(P=0.0198, β=0.50)たが、APIは両群で有意な差異を認めなかった(P=0.59)。APIは年齢・群でなく、脈圧が大きくなるに従い増加した(P=0.0083)。AVIとAPIの相関は認めなかった。
【結論】小児心疾患では動脈の硬さの分布が一様でなく、上腕でなく中心動脈に硬化の存在が示唆された。本検討に含まれる正常小児のNは少なく、今後、小児血管評価におけるAVI・APIを正しく解釈するためには、正常小児例のデータの蓄積と、年齢ごとの正常域の構築がまず必要と考えられた。