The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral

肺循環・肺高血圧・呼吸器疾患

Free Paper Oral 27 (II-OR27)

Sat. Jul 8, 2017 8:30 AM - 9:20 AM ROOM 5 (Exhibition and Event Hall Room 5)

Chair:Hiraku Doi(Department of Pediatrics,Congenital Heart Disease Center,Tenri Hospital)

8:30 AM - 9:20 AM

[II-OR27-01] 早期産児における肺血管抵抗-コンプライアンス関係の特徴

岡田 清吾, 宗内 淳, 長友 雄作, 渡邉 まみ江, 飯田 千晶, 白水 優光, 松岡 良平, 城尾 邦隆 (九州病院 小児科)

Keywords:心室中隔欠損, 肺循環, 肺高血圧

【背景】早期産は心血管病変のリスク因子であり,特に成人期の血圧上昇が問題となる.しかし肺血管に与える影響は未だ不明である.
【目的】早期産児における肺血管特性を明らかにすること.
【方法】肺高血圧合併心室中隔欠損の乳児96例(男50例;0-11か月,中央値2か月)に対し,術前後で心臓カテーテル検査を施行し,肺血管抵抗(Rp)=[(肺動脈平均圧)-(左房圧)]/肺血流量および肺血管コンプライアンス(Cp)=(肺心拍出量)/[(肺動脈収縮期圧)-(肺動脈拡張期圧)]を算出した.早期産群(n=13)および正期産群(n=83)の2群間で,各因子を後方視的に比較検討した.
【結果】早期産群および正期産群において,性差,修正年齢,肺体血流比(3.1 vs. 3.5),肺動脈収縮期圧(59 vs. 64 mmHg)・平均圧(39 vs. 41 mmHg),およびRp(2.3 vs. 2.1 WU・m2)において有意差はなかったのに対し,Cpは2.1 vs. 2.8 mL/mmHg/m2と早期産群の方が有意に低値であった(p<0.05).術後肺動脈圧は収縮期圧(29 vs. 25 mmHg)および平均圧(18 vs. 14 mmHg)ともに早期産群の方が有意に高値であった(p<0.01).またCpは術後においても早期産群の方が有意に低値であった(1.7 vs. 2.0 mL/mmHg/m2, p<0.05).術後の一酸化窒素(NO)使用率および退院時の在宅酸素療法(HOT)導入率は早期産群の方が有意に高値であった(いずれもp<0.05).
【考察】早期産児はCp低値および術後肺動脈圧高値を示し,正期産児とは異なる肺血管特性を有する可能性が示唆された.先天性心疾患の管理において,この早期産児の肺血管特性を理解し,周術期管理の工夫や遠隔期フォローが必要と考えた.