The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral

肺循環・肺高血圧・呼吸器疾患

Free Paper Oral 29 (II-OR29)

Sat. Jul 8, 2017 10:15 AM - 11:05 AM ROOM 5 (Exhibition and Event Hall Room 5)

Chair:Hirofumi Sawada(The Department of Anesthesiology and Critical Care Medicine / Pediatrics Mie University School of Medicine)

10:15 AM - 11:05 AM

[II-OR29-02] 難治性肺高血圧症に対するPDE-5阻害薬からリオシグアトへの切り替え

中山 智孝1, 池原 聡1, 高月 晋一1, 矢内 俊1, 直井 和之1, 佐地 勉2, 松裏 裕行1 (1.東邦大学医療センター大森病院 小児科, 2.東邦大学 医学部 心血管病研究先端統合講座)

Keywords:肺高血圧, リオシグアト, PDE-5阻害薬

【背景】リオシグアトは可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬という新しいクラスの肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬である。既存のPDE5阻害薬と同様に一酸化窒素経路(NO-sGC-cGMP)に作用するが、PDE-5阻害薬がcGMPの分解を抑制するのに対しリオシグアトはcGMPの産生を促進する。病状が進行したPAHでは血管内皮の機能不全により、一酸化窒素経路の働きが十分に発揮せず、PDE-5阻害薬よりリオシグアトのほうが有利な可能性がある。【目的】PDE-5阻害薬で十分な改善が得られないPAH患者に対し、リオシグアトへの切り替えの効果を検討する。【方法および結果】当科で観察中の特発性/遺伝性PAH60例のうちPDE-5阻害薬(シルデナフィル・タダラフィル)投与中の57例のうち、リオシグアトへ切り替えした8例について患者背景ならびに切り替え前後の成績を評価した。切り替え時年齢は17.1~50.2歳、PAH病脳期間は8.0~14.0年、全例がPGI2製剤(静注5例/内服2例/吸入1例)およびエンドセリン受容体拮抗薬との併用であった。WHO機能分類はクラスII 2例/III 5例/IV 1例。リオシグアトは1回0.25-1mg、1日3回で開始し忍容性をみながら漸増。7例は最大用量1回2.5mgへ増量できたが、1例(クラスIV、カテコラミン併用)は1回1mgまでの増量に留まり5か月で失った。観察期間3~18か月で投与前後にて比較できた7例ではBNP(pg/ml)43.7→36.6(p<0.05)、TRPG(mmHg)84±19→75±15(ns)、有効1例・やや有効3例・不変3例。心カテを行った3例ではRp(UxM2)15.8±0.6→11.7±1.3(p<0.05)、Rp/Rs 0.89±0.02→0.68±0.02(p<0.05)と肺血管選択的な反応性が得られた。【結論】PDE-5阻害薬で十分な改善が得られないPAH症例に対するリオシグアトへの切り替えは約半数で効果を示したが、症例選択や切り替え時期については検討を要する。