The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral

肺循環・肺高血圧・呼吸器疾患

Free Paper Oral 29 (II-OR29)

Sat. Jul 8, 2017 10:15 AM - 11:05 AM ROOM 5 (Exhibition and Event Hall Room 5)

Chair:Hirofumi Sawada(The Department of Anesthesiology and Critical Care Medicine / Pediatrics Mie University School of Medicine)

10:15 AM - 11:05 AM

[II-OR29-04] 光干渉断層像(Optical Coherence Tomography:OCT)による先天性心疾患乳幼児における肺動脈病変の評価

本間 友佳子, 早渕 康信, 小野 朱美, 香美 祥二 (徳島大学大学院 医歯薬学研究部 小児科)

Keywords:Optical Coherence Tomography, 肺動脈, 先天性心疾患

【背景】OCTを用いた肺動脈性肺高血圧症における肺動脈壁肥厚などの内中膜病変の進行については我々の施設からの報告を含め、いくつかの研究が散見されるが、肺血流量増加を伴う先天性心疾患乳幼児における肺動脈病変の進行を観察した報告はない。先天性心疾患の肺血管病変進行をOCTで定量できれば、予後予測および加療による病態変化観察に応用でき、有用性が高まる。【目的】肺血流増加型先天性心疾患術前の乳幼児においてOCTを用いて描出した肺動脈壁と肺循環動態を比較・検討し、有用性を検証する。【方法】心室中隔欠損、心房中隔欠損、動脈管開存の乳幼児39例( 0~6歳, 平均肺動脈圧 9~46mmHg)を対象とした。血管径1.0~5.0mmの延べ79血管の肺動脈をOCTで観察した。【結果】全症例において肺動脈壁は明瞭に観察され、28例(35%)で内・中・外膜が区別されて観察された。観察された壁厚は、0.03~0.34mmであった。血管径による肺動脈形態の差異を考慮して、肺動脈の血管径を1.0mm毎の群に区分して検討した。血管径2.0-3.0mmにおいて肺動脈壁厚は平均肺動脈圧と正相関を認めた(R2=0.18; p=0.007)。血管径1.0-3.0mmでは肺動脈平均圧≦20、20~25、25≦mmHgの3群間で壁厚の有意差を認めた(p=0.02)。血管径2.0-4.0mmでは肺動脈コンプライアンスと負相関を認めた(p=0.03)。【考察】先天性心疾患による肺血管病変進行がOCTで評価可能であることを示した。肺高血圧の原因により肺血管壁の構造や肥厚層も異なることが示されており、測定部位や病理学的相違などの課題はあるが、OCT画像評価は本対象群でも肺循環動態を反映していると考えた。【結語】OCTによる評価は先天性心疾患の肺循環評価に有用である。