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[II-OR31-04] 乳幼児期に植え込んだ心外膜リードの耐久性の検討
キーワード:不整脈, ペースメーカー, ペーシングリード
【背景】乳幼児期に植え込んだ心外膜リードの耐久性は年代とともに改善しており、海外における2012年の報告での5年累積リード不全回避率は93%であった。これにはSteroid-Elutingの出現などが考えられる。本邦において乳幼児期に植え込んだ心外膜リードの耐久性やRisk Factorに関する詳細な検討は少ない。【目的】乳幼児期に植え込んだ心外膜リードの耐久性とリード不全の原因、Risk Factorを検討すること。【方法】1978年以降に当院で心外膜リードを植え込んだ6歳未満の児の心外膜リードの耐久性を診療録を用いて後方視的に検討した。【結果】症例は192例でリード総数は379(心房リード148、心室リード231)本。192例のうち先天性心疾患 136(71.6%)でペースメーカーの適応となった疾患内訳は先天性完全房室ブロック 39、房室ブロック 32、洞不全症候群 13, QT延長症候群 3、術後房室ブロック 59、術後洞不全症候群 35、心不全 8、その他 3例であった。観察期間のうち60例(31.6%)が死亡、69本 (18.2%)にリード不全を認めた。リード不全の内訳としては破損、感染、閾値上昇、感度低下とその他の5種類に大別したところ、内訳は破損17、感染 24、閾値上昇 10、感度低下 9、その他9であった。リードの耐久性は5年87%、10年74%、15年64%であった。Risk FactorにはVリードが該当した。【結語】乳幼児期に植え込んだ心外膜リードの耐久性は累積不全回避率は依然良好とはいえない。死亡例が多い重症疾患群であること、易感染性があること、成長が著しくリードの物理的損傷がおこりやすいことが理由と考えられる。