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[II-OR31-05] 経静脈的に心臓植込み型デバイスの植込みを施行した心房スイッチ術後15症例の経過
Keywords:心房スイッチ手術, 心臓植込み型デバイス, 術後遠隔期
【背景】心房スイッチ(Senning, Mustard)術後遠隔期にペーシングデバイス治療を要するケースが散見される。バッフルリークや心房内のルート狭窄等の術後合併症を認めず併施手術のない場合、経静脈的植込みは選択肢の一つとなる。【目的】経静脈的植込み後の合併症の有無を明らかにすること。【対象】当院で2004年から2016年、心房スイッチ手術の既往があり新規デバイス植込を施行された15症例。平均観察期間は6.2±3.5年。新規植込時平均年齢は23.9±8.5歳。心疾患の内訳はdTGA 7例、ccTGA 7例、孤立性心房逆位 1例。徐脈性不整脈はSSS 9例、cAVB 5例。AT/AFLの既往 7例のうち5例はアブレーション施行歴あり。デバイスの種類はペースメーカ 11例、ICD 2例、CRTD 2例(心外膜リード追加待機中)。術前の心房内ルート狭窄の有無は、SVC造影(11例)または造影CT(4例)で確認し、術後は心エコー(11例)や造影CT(4例)で確認した。【結果】ショックリードを除くペーシングリードは全例操作性の良いFineLineII/ThinLineIIを使用、5例で3Dマッピングシステム下でより詳細に閾値・波高値が良好でPQ時間が比較的短く、横隔膜刺激のない場所を探して留置した。15例中7例はSSSに対しsingle chamber (AAI)で、観察期間中に房室伝導機能低下は出現しなかった。術後、心房内ルートの高度狭窄症例はなかった。【結語】心房スイッチ術後症例における経静脈的デバイス植込みの予後は良好であり、経静脈からの植込が可能ならば第一選択が良いと思われる。長期予後については今後さらなる観察を要する。