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[II-OR34-04] 重症心外奇形を伴う複雑心奇形に対する両側肺動脈絞扼術の適応と成績
キーワード:心外奇形, 複雑心奇形, 両側肺動脈絞扼術
【目的】重症及び多発心外奇形(染色体異常,外表奇形を含む)を伴う複雑心奇形に対しては修復術が困難で姑息術が最終的な外科治療となることもある.今回このような症例に対して両側肺動脈絞扼術(BPAB)を行った症例を検討したので報告する.【対象と方法】当院で初回手術としてBPABを行った40例のうち重症及び多発心外奇形(染色体異常,外表奇形を含む)を伴う複雑心奇形9例を対象とした.内訳はCoA 6例,HLHS 1例,umbalanced AVSD 1例,TGA 1例.単心室循環は8/9例.合併奇形は13 trisomy1例,CHARGE症候群2例,脳髄膜瘤1例,鰓弓症候群1例,右肺欠損1例,多発外表奇形3例.そのうち術前低体重(BW<2.5kg)を認めたものは6例.Shockを認めたものは2例.術前より在宅医療を目指したものは13 trisomy 症例,脳髄膜瘤症例の2例だった.BPABの基本術式はGore糸をlasso法で行った.PDA stentingを施行したのは2例だった.【結果】病院死亡2例(CHARGE症候群: BPAB後縦郭洞炎,多発外表奇形:Norwood(N)術後LOS),退院後死亡2例(13 trisomy:術後6ヶ月自然死,多発外表奇形:N術後32ヶ月肺炎),在宅療養中3例(全例気管病変のため気管切開後,右肺欠損:10ヶ月,多発外表奇形:18ヶ月,脳髄膜瘤:38ヶ月経過),BDG待機中1例(CHARGE症候群:N術後),ICR待機中1例(鰓弓症候群,Arch repair後).当初より在宅医療を目指した13 trisomyは42日目に退院し在宅4か月で自然死.脳髄膜瘤を伴ったHLHSはASD creationを施行後退院し,気管狭窄に対して気管切開し現在在宅呼吸器で療養中である.気管病変のため気管切開が必要となった3例は第二期手術適応外となった. 【まとめ】合併奇形によりNorwood手術の適応から除外される症例においてもBPABにより在宅療養可能であり適応は検討されるべきと考えられた.気道系の合併症に対しては気管切開により在宅医療に移行可能であるが第二期手術は困難と考えられた.