The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Free Paper Oral

対外循環心筋保護

Free Paper Oral 35 (II-OR35)

Sat. Jul 8, 2017 1:50 PM - 2:40 PM ROOM 6 (Exhibition and Event Hall Room 6)

Chair:Hideto Shimpo(Department of Thoracic & Cardiovascular Surgery Mie University Graduate School of Medicine)

1:50 PM - 2:40 PM

[II-OR35-02] 緊急ECMOを導入した小児救急搬送症例の検討

小森 元貴1, 西垣 恭一1, 川平 洋一1, 山本 臨太郎1, 村上 洋介2, 江原 英治2 (1.大阪市立総合医療センター 小児心臓血管外科, 2.大阪市立総合医療センター 小児循環器内科)

Keywords:小児, ECMO, ECPR

【背景】先天性心疾患を有さない小児例であっても、緊急ECMOを要する重症呼吸、または、循環不全を呈し、緊急入院となることがある。当院に搬送された緊急ECMOを導入した小児例を検討した。【症例】2004-2016年に当院に救急搬送され緊急ECMOを要した小児は13例であった。年齢は1-156ヵ月(中央値34)、体重は3.5-26kg(中央値10.7)。診断は心筋炎10例、不整脈2例(sustained VT 1、JET 1)、異物誤嚥による窒息1例であった。【結果】搬送情報を関係各科で共有し、搬送前に救急処置室で準備を整え、症例を受け入れた。緊急ECMOは10例で頸部動静脈に、3例で大腿部動静脈にカニュレーションし、全例VA-ECMOを装着した。緊急入院からECMO装着に要した時間は20-65分(中央値34)であった。心筋炎10例のCK値はECMO前は413-1560 U/l(中央値1140)、LVEFは10‐31 %(中央値20)であったが、ECMO導入後3-27日目(中央値8)にLVEFは50‐62 %(中央値58)まで改善した。sustained VTの1例は不整脈原性右室心筋症であったが、9日間のECMO装着でLVEF 58 %まで改善し、両心室pacingによりVTの抑制が可能となり、後日CRT-Dを導入して退院した。JETの1例は血圧低下のためECMOを導入しアミオダロン及びプロプラノロール投与下に7日目でECMOを離脱できた。異物誤嚥の1例は硬性気管支鏡で異物除去を行った。全例、3-27日(中央値8)後にECMO離脱が可能となり、現在までに12例が軽快退院し、1例は未だ入院加療中である。ECMOに伴う神経学的合併症は認めなかった。【まとめ】ECMOを緊急導入した非先天性心疾患の小児救急搬送では、関係各科の連携のもと、適応があればECMOを可及的早期に装着することが、成績向上の一助となると思われた。