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[II-OR35-02] 緊急ECMOを導入した小児救急搬送症例の検討
キーワード:小児, ECMO, ECPR
【背景】先天性心疾患を有さない小児例であっても、緊急ECMOを要する重症呼吸、または、循環不全を呈し、緊急入院となることがある。当院に搬送された緊急ECMOを導入した小児例を検討した。【症例】2004-2016年に当院に救急搬送され緊急ECMOを要した小児は13例であった。年齢は1-156ヵ月(中央値34)、体重は3.5-26kg(中央値10.7)。診断は心筋炎10例、不整脈2例(sustained VT 1、JET 1)、異物誤嚥による窒息1例であった。【結果】搬送情報を関係各科で共有し、搬送前に救急処置室で準備を整え、症例を受け入れた。緊急ECMOは10例で頸部動静脈に、3例で大腿部動静脈にカニュレーションし、全例VA-ECMOを装着した。緊急入院からECMO装着に要した時間は20-65分(中央値34)であった。心筋炎10例のCK値はECMO前は413-1560 U/l(中央値1140)、LVEFは10‐31 %(中央値20)であったが、ECMO導入後3-27日目(中央値8)にLVEFは50‐62 %(中央値58)まで改善した。sustained VTの1例は不整脈原性右室心筋症であったが、9日間のECMO装着でLVEF 58 %まで改善し、両心室pacingによりVTの抑制が可能となり、後日CRT-Dを導入して退院した。JETの1例は血圧低下のためECMOを導入しアミオダロン及びプロプラノロール投与下に7日目でECMOを離脱できた。異物誤嚥の1例は硬性気管支鏡で異物除去を行った。全例、3-27日(中央値8)後にECMO離脱が可能となり、現在までに12例が軽快退院し、1例は未だ入院加療中である。ECMOに伴う神経学的合併症は認めなかった。【まとめ】ECMOを緊急導入した非先天性心疾患の小児救急搬送では、関係各科の連携のもと、適応があればECMOを可及的早期に装着することが、成績向上の一助となると思われた。