The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral

一般心臓病学

Free Paper Oral 39 (II-OR39)

Sat. Jul 8, 2017 5:05 PM - 5:55 PM ROOM 7 (Seminar and Exchange Center, 2F The Music Studio Hall)

Chair:Minako Hoshiai(Pediatric Heart Center, Yamanashi Prefectural Central Hospital)

5:05 PM - 5:55 PM

[II-OR39-02] 新生児期の心房中隔形態による卵円孔閉鎖の予測

三井 さやか, 羽田野 爲夫, 福見 大地, 岸本 泰明 (名古屋第一赤十字病院 小児循環器科)

Keywords:PFO, hypermobile, septum

【背景と目的】近年、d-TGAの胎児においてhypermobile PFOで緊急BASが必要となるなど、胎内での卵円孔の形態から出生後の変化を予測できるという報告が散見される。またPFOの大きさによる開存率の検討の報告は多いが、形態による報告は少ない。今回生後3mm以上のPFOの閉鎖に及ぼす形態について検討したので報告する。【対象と方法】当院では出生した全ての新生児に退院時スクリーニング心エコーを行っている。対象は2009年1月~2013年12月当院で出生した7333例中3mm以上のPFOを指摘された児414例(5.6%)。初回エコーの画像評価ができた389例中、卵円孔のflapと心房中隔の為す角度が30度以上をhypermobile septum(HMS)と定義し、形態を診療録から後方視的に検討した。【結果】414例中男:女=163:251、平均出生体重は2763g(290-3882)、身長は47.2cm(24.6-53.2)、在胎週数37.5週(24-41)。エコーは中央値日齢3(0-151)に施行。フォロー中20例(4.8%、男:女=4:16)で3mm以上開存していた(観察期間5.1か月、1か月-7年)。初回エコー時の平均PFO径は閉鎖群5.096mm、開存群5.164mm(p=0.987)で有意差ないが、身長(閉鎖:開存=47.3:45.2,p=0.0162)、体重(2783:2443,p=0.0133)、在胎週数(37.6:35.8,p=0.00661)と開存群で小さい傾向があった。転帰不明が6例(死亡1例、受診なし4例、閉鎖術1例)。閉鎖群、開存群におけるHMSの割合は閉鎖群355/363例、開存群11/20例と有意に(p<0.01)閉鎖群で多かった。【考察】HMSは左房圧の上昇を反映し、また一次中隔と二次中隔が接することで癒合を助長し卵円孔閉鎖を促す可能性がある。【結論】PFOの径が大きくてもhypermobile septumでは自然閉鎖が十分期待できると考えられる。