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[II-OR39-03] 先天性心疾患でもエスクロンは使えるか?
Keywords:エスクロン, 心拍出量, 先天性心疾患
はじめにエスクロンミニ(Osypka Medical, Berlin and San Dieg)は非侵襲的に迅速かつ容易に心拍出量の測定が可能である。しかし小児、先天性心疾患における値の妥当性については、少数例の報告のみで信頼性に乏しい。目的小児、また先天性心疾患におけるエスクロンミニで測定した心拍出量の値の妥当性を検討することである。方法対象は2016年4月から12月までに心臓カテーテル検査を行った168例。心臓カテーテル検査時にFick法とエスクロンにて心拍出量測定を行った。168例のうち正常心(NHD)は63例、心疾患は105例。心疾患のうちわけは心房中隔欠損症(ASD)15例、心室中隔欠損症(VSD)24例、動脈管開存症(PDA)2例、冠動静脈瘻(CAVF)2例、完全房室中隔欠損症(AVSD)4例、ファロー四徴症(TOF)5例、両大血管右室起始症(DORV)1例、shunt症例13例、グレン術後15例、TCPC術後21例、その他3例。これらを1、NHD 2、ASD、VSD、PDA、CAVF、AVSD、TOF、DORV、shunt症例 3、グレン術後 4、TCPC術後にわけFick法とエスクロンによる一回心拍出量(SV)、心拍出量(cardiac output index:CI)の値の相関関係を確認した。結果対象は日齢9-34歳(中央値3歳)。SVとCOの相関について、1、SV:相関係数(r)0.83、CO:r0.81 2、SV:r0.94、CO:r0.82 3、SV:r0.071、CO:r0.095 4、SV:r0.62、CO:r0.58となった。結論SV、COに関しては正常心・心疾患いずれにおいてもエスクロンによる値はFick法による値に有意に相関し、妥当性は確認できた。TCPC、グレンにおいてFickの値と相関しなかった原因はこれらの疾患群ではFickの値の信頼性が低くなることにあげられる。そこでアンギオにおける心拍出量との相関を計算したところ係数は0.74となり、TCPC、グレンにおいてもエスクロンの値は妥当であると考えた。今後集中治療における心不全管理において利用していきたい。