17:05 〜 17:55
[II-OR39-04] 放射光を用いた位相差X線CTによる複雑心奇形剖検心標本におけるヒト心臓刺激伝導系の3次元的可視化
キーワード:Phase-contrast CT, cardiac conduction tissue, complex cardiac malformation
【背景】刺激伝導系の形態解析において放射光を光源とする位相差CTは吸収イメージングの約1000倍の感度を有し、3次元的可視化、再現性、非破壊性の点で特に貴重な複雑心奇形に対する理想的解析ツールである。今回複雑心奇形標本を対象に大型放射光施設SPring8における位相差CTを用いた心臓刺激伝導系の非破壊的3次元的可視化、循環器小児科・心臓外科臨床における有用性を検討した。
【方法】複雑心奇形剖検心2例(症例1 SLL PA VSD、症例2 Right isomerism AV discordant CILV(or TA) TAC)を対象にSPring8の医用ビームラインBL20B2においてタルボ干渉計による位相差CTを構築し生食浸透にて撮影した。画像データ(25.1μm/ピクセル)解析にImage J、Amira J、drishtiを用いた。
【結果】位相差CT画像において房室接合部から心室中隔頂上部に周囲通常心筋とhigh density sheathにより隔絶された連続する(traceable) low density areaが描出され走行・形態より房室結節、貫通束、分枝束、左右脚と確認された。心全体に投影される刺激伝導系の3D再構築像においては自由な角度から精細な局所解剖を把握可能であり心内立体構築との関係性や各疾患の術式における刺激伝導路局在の意義を明確に認識する有用な情報を得た。
【結論】3Dの心臓への鮮明な刺激伝導系再構築像は心房錯位症候群、修正大血管転位症をはじめとする未だ刺激伝導系走行が解明されていない多くの先天性心疾患に対する手術を含めた治療アプローチに強い示唆をもたらすものと期待される。
【方法】複雑心奇形剖検心2例(症例1 SLL PA VSD、症例2 Right isomerism AV discordant CILV(or TA) TAC)を対象にSPring8の医用ビームラインBL20B2においてタルボ干渉計による位相差CTを構築し生食浸透にて撮影した。画像データ(25.1μm/ピクセル)解析にImage J、Amira J、drishtiを用いた。
【結果】位相差CT画像において房室接合部から心室中隔頂上部に周囲通常心筋とhigh density sheathにより隔絶された連続する(traceable) low density areaが描出され走行・形態より房室結節、貫通束、分枝束、左右脚と確認された。心全体に投影される刺激伝導系の3D再構築像においては自由な角度から精細な局所解剖を把握可能であり心内立体構築との関係性や各疾患の術式における刺激伝導路局在の意義を明確に認識する有用な情報を得た。
【結論】3Dの心臓への鮮明な刺激伝導系再構築像は心房錯位症候群、修正大血管転位症をはじめとする未だ刺激伝導系走行が解明されていない多くの先天性心疾患に対する手術を含めた治療アプローチに強い示唆をもたらすものと期待される。