The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

染色体異常・遺伝子異常

Poster (II-P19)

Sat. Jul 8, 2017 6:15 PM - 7:15 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Kazuhiko Shibuya(Department of Cardiology, Tokyo Metropolitan Children's Medical Center)

6:15 PM - 7:15 PM

[II-P19-04] Turner症候群患者における大動脈解離のリスク因子の検討

中川 亮, 岩崎 秀紀, 斎藤 剛克, 太田 邦雄 (金沢大学 医薬保健学域医学系 小児科)

Keywords:Turner症候群, 大動脈解離, 大動脈二尖弁

【背景】Turner症候群(TS)患者が大動脈解離を発症した症例報告が散見される。大動脈解離のリスク因子は大動脈弁二尖弁(BAV)、大動脈縮窄症(CoA)、高血圧(HT)とされており、いずれもTSで合併しやすいとされている。【目的】当院でのTS患者の大動脈解離のリスク因子について検討する。【方法】2005年から2016年までに当科を外来受診したTS患者25例を対象に、BAV、CoA、HTの有無について後方視的に検討した。【結果】心エコーは24例で施行された。BAVは13例で評価されており、1/13(7.7%)でBAVを認めたが、一方で11/24(46%)で評価されていなかった。CoA症例は1/25(4%)で、HTを認めた症例はみられなかった。また、主治医は小児科内分泌医17例、小児神経医1例、内科医(代謝内分泌)6例、産婦人科医1例であり、平均心エコー施行率は1回/3.06年であった。心エコー未施行1例、8年に1回のみが2例など心エコー施行率が低い症例も認めた。【考察】当院のTS患者における大動脈解離のリスク因子はBAV1例、CoA1例であり、HTはみられなかった。大動脈弁の形態評価をされていない症例が少なからず存在し、全例で大動脈弁の形態評価をすべきだと考える。HTは成人のTSの13-58%にみられるとされるが、当院の成人のTS患者15例ではHTはみられなかった。HTの原因となる脂質異常症やCoA、糖尿病などの基礎疾患をもつ患者が少なかったことに関連があると考えられた。また、TSでは多くの症例で小児循環器医以外が主治医となっているが、高い大動脈解離発症率を考慮すると、小児循環器医、循環器内科医がより積極的に診療に携わるべきと考えられた。【結論】当院におけるTS患者では大動脈解離のリスク因子が2例で認められた。また、大動脈弁の形態評価が十分ではなく、リスク因子を把握することに努める必要があると考えられた。そのためにも小児循環器医、循環器内科医がより積極的に循環管理に携わるべきである。