The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

染色体異常・遺伝子異常

Poster (II-P19)

Sat. Jul 8, 2017 6:15 PM - 7:15 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Kazuhiko Shibuya(Department of Cardiology, Tokyo Metropolitan Children's Medical Center)

6:15 PM - 7:15 PM

[II-P19-07] 当院における先天性心疾患を有する13および18trisomyの治療介入の現状

竹下 直樹1, 奥村 謙一1, 中川 由美1, 糸井 利幸1, 長谷川 龍志1, 細井 創1, 山岸 正明2 (1.京都府立医科大学 小児科, 2.京都府立医科大学 小児心臓血管外科)

Keywords:13trisomy, 18trisomy, 姑息手術

【背景】当院では,先天性心疾患(CHD)を有する13,18 trisomy患児に対して,呼吸および全身状態が許せば姑息手術まで行う方針としている.【目的】当院でのCHDを有する13,18trisomy症例における,手術介入条件が妥当であったかを後方視的に検討した.【方法】2012年1月から2016年12月までに入院したCHDを有する13,18trisomy 21名を対象とし,患者背景,心疾患の内訳,外科的手術介入の有無およびその術式,生命予後に関して検討した.【結果】症例の内訳は,13trisomy 1例,18trisomy 20例であった.全症例の平均出生体重は1770±260g,妊娠週数は37±2週であった.CHDの内訳は,VSD 15例,DORV 4例,HLHS 1例,TS 1例.心外奇形は16例(76%)に合併し,小脳低形成 10例,口唇口蓋裂 3例,食道閉鎖 3例,その他9例であった.心疾患に対して手術介入を行った症例は9例(43%)で,術式の内訳はPDA ligation 4例,PAB 3例,BTS 1例,arch repair 1例,根治術は施行されなかった.手術介入を行った9例中7例が生存退院し,1例が退院にむけて調整中である.術後遠隔期に3例が死亡したが,心臓手術後3ヶ月以内に死亡した症例はなく,その死亡原因は,感染,突然死,呼吸・循環不全であった.全体の死亡例は10例(48%)で,生存例(A群),死亡例(D群)の2群を比較すると,妊娠週数 (A群: 37±1.6週vs39±0.7週 (p<0.05)),出生時のSpO2 (A群: 94±2% vs D群: 89±7% (p<0.05)),出生時血液ガスpH (A群: 7.28±0.1% vs D群: 7.09±0.19% (p<0.05))で有意差を認めたが,心奇形の種類(複雑心奇形か否か),手術介入の有無による両群間の差はなかった【結論】当院において,手術介入を行った13および18 trisomyの約90%が退院可能であった.今後,根治術を含む手術適応拡大をおこなうかは議論の余地があるが,現時点での当院での治療介入基準は適切であり,手術介入により13,18 trisomyの生命予後を改善しえたと考えられた.