The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

染色体異常・遺伝子異常

Poster (II-P19)

Sat. Jul 8, 2017 6:15 PM - 7:15 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Kazuhiko Shibuya(Department of Cardiology, Tokyo Metropolitan Children's Medical Center)

6:15 PM - 7:15 PM

[II-P19-08] 日本人におけるEllis-van Creveld 症候群の遺伝子変異と表現型について

江村 薫乃, 稲井 慶, 古谷 喜幸, 朴 仁三 (東京女子医科大学循環器小児科)

Keywords:Ellis-van Creveld症候群, 遺伝子型, 表現型

【背景】Ellis-van Creveld(EVC)症候群は4から6万人に一人発症する希少難病である。責任遺伝子はEVC遺伝子またはEVC2遺伝子が報告されている。これまで海外では約200例の症例が報告されているが、日本における詳細な検討の報告は少ない。【目的】日本人のEVC症候群患者における遺伝子型と表現型を明らかにし、両者の関係について比較検討する。【方法】当院で遺伝子解析を施行したEVC症候群16例および詳細な臨床情報の得られた7症例について、遺伝子変異と表現型について医療記録から後方視的検討を行った。【結果】遺伝子型については63%でEVC(25%)またはEVC2(38%)の変異が認められ、両者のdouble mutationの患者も1例存在した。EVCに変異があったものはすべてnonsense mutation(終止コドン)であった。EVC2に変異があったものは、nonsense mutation(終止コドン)、Frameshift、point mutationがあり、nonsense mutation(終止コドン)とFrameshiftが共に3/6例と多かった。臨床像では、先天性心疾患において房室中隔欠損が5/7例(71.5%)と最も多く、その他、心房中隔欠損、大動脈狭窄などがみられた。骨・軟骨の発生成長に伴う異常では、狭胸郭・四肢短縮は全例で認められた。それに次いで両側尺側多指症6/7例(86%)、多趾症3/7例(43%)が認められた。症例により臨床像は多様で変異遺伝子や変異の種類で一定の傾向は見られなかった。【結論】日本人におけるEVC症候群の遺伝子変異はEVCまたはEVC2の変異が60%以上をしめ、海外の報告と同様であった。遺伝子変異と臨床像の関連は今回の検討では明らかでなかったが、さらに症例を集めて検討が必要である。