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[II-P21-02] 出生直後に手術介入を行ったCritical AS, Borderline LV, restrictive PFO症例 に対する治療戦略
キーワード:Critical AS, Borderline LV, 左心低形成症候群
【症例】在胎26週2日,Critical AS, MSR, Borderline LV, restrictive PFOにて紹介の男児.2週間毎のFollow upにて経時的に左室発育不良が顕在化した.36週での帝王切開を予定,出生直前の心エコー評価にて単心室または2心室治療の選択,出生時の処置について検討した. 【術前胎児エコー】推定体重2.4kg,TVD 12.7mm, MVD 7.2mm, AVD 4.2mm(2.6m/s,上行大動脈径 8.2mm), LVEF 20%, mild MR, II度EFE,slit状PFO L→Rシャント.CHSS-1およびCHSS-2 scoreでは単心室,RhodesおよびDiscriminant Scoreでは2心室治療のindicationであった.これらより原則単心室治療を行うこととし,左心室の収縮能改善,確実な酸素化を得る為に出生直後に手術介入を行い,2期的にNorwood手術の方針とした.【治療経過】2530gにて出生,母親と面会後に隣の手術室へ搬送,出生後40分で手術開始した.大動脈交連切開,心房中隔拡大,両側肺動脈絞扼術を施行した.翌日に閉胸,術7日目に動脈管ステント留置術施行し,術10日目に呼吸器を離脱した.出生45日目,体重2830gにてmodified-Norwood手術を施行し,術後2ヶ月目に退院した.生後9ヶ月目に体重6.2kgでグレン手術を終え,現在外来にてFontan待機中である.【まとめ】出生直後の手術介入には麻酔科,産婦人科およびco-medicalを交えた綿密な手術計画が必要であった.Critical AS, Borderline LV症例では治療方針に迷い,両側肺動脈絞扼術で経過を見ることも多い.術前にScoring systemを参考に治療方針を決めることで,良好な治療経過を得ることができた.