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[II-P21-04] 両側上大静脈を伴う左心低形成症候群の治療方針
Keywords:左心低形成症候群, 中心肺動脈, フォンタン手術
【背景】Fontan手術を目指すにあたって、良好な中心肺動脈の形成が重要だが、両側上大静脈を伴う左心低形成症候群においては、グレン手術後の血行動態とneo-aortaによる圧迫が相まって、中心肺動脈の低形成が懸念される。【目的】当施設における両側上大静脈を伴う左心低形成症候群の手術方針と予後を検討すること。【方法】2009年から2013年までの5年間に当施設においてNorwood手術を施行した左心低形成症候群症例は28例で、そのうち両側上大静脈をもつ症例は5例(18%)であった (下大静脈欠損の症例は除外)。そのうちGlenn手術まで到達した4例について、診療記録より後方視的に検討した。【結果】初回姑息術は、いずれも日齢0-3に両側肺動脈絞扼術が行われた。その後、2例は月齢2,3でNorwood+bilateral bidirectional Glenn術を施行、1例は日齢8にNorwood (BT shunt) 術を施行後、月齢6にbilateral bidirectional Glenn術を施行された。1例はFontan術時に人工導管で中心肺動脈を形成する方針の元、月齢3にNorwood+bilateral original Glenn術を施行された。Bilateral bidirectional Glenn術の3例については、Fontan術前に中心肺動脈の狭小化がみられていたものの、Fontan術時にFontan routeを用いて拡大可能で、良好なFontan循環が得られた。一方、bilateral original Glenn術の症例は、Fontan術後急性期にFontan failureとなるなかで人工導管による中心肺動脈が血栓閉塞し、take downを余儀なくされた。【考案】両側上大静脈を伴う左心低形成症候群においても、中心肺動脈自己組織を残す通常のBilateral bidirectional Glenn術の手術方針で問題ないと考えられる。