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[II-P23-02] 重篤な低酸素血症のため緊急避難的に冠動脈用stentを留置した肺動脈低形成を伴うPA/VSD, MAPCAの2例
Keywords:PA/VSD MAPCA, stent implantation, emergency therapy
【症例1】5歳、女児。中心肺動脈認めず、MAPCAも低形成のため、外科的介入せず経過観察していたが、経鼻酸素4L/minでSpO2 60%台と著しい低酸素血症を認めるようになり5歳3ヶ月時にPalliative Rastelli (Unifocalization (UF) + RVOTR(Yamagishi 18mm))を施行した。術後低酸素血症のため人工心肺から離脱できずECMO導入となった。術後9日目にECMO下に血管造影を行い、UFした左下MAPCAの高度狭窄を認めた。術後12日目に左下MAPCAにBT shunt 施行するがECMO離脱できず。術後16日目にECMO下に血管造影施行し、BTshunt閉塞を認めた。術後17日目Hybrid operation roomにてECMO下に左肺動脈を離断し左上肺動脈再建および左下肺動脈にBT shunt再建し,そのBT shunt―左下肺動脈吻合部にバルーン拡大およびステント留置術(Nobori 3.5mm x 24mm)施行した。Stent留置後4日後にcentral ECMOからVA ECMOに変更し、Stent留置後16日目にECMO離脱可能となり、半年後の退院時は経鼻酸素2L/minでSpO2 80%まで改善した。【症例2】2歳、女児。前医にて6ヶ月時に左上葉へのMAPCAと左PAをUFし、original BT shuntを施行された。1歳5ヶ月時から当院でのフォローとなる。1歳7ヶ月時に右MAPCAとcentral PA吻合を施行した。低酸素血症持続のため術後1ヶ月時にカテーテル施行。original BT shuntの閉塞を認めたが、再開通し、バルーン拡大を施行した。術後3ヶ月時に再度カテーテル施行した際、左original BT shuntや右MAPCA-central PA吻合部にバルーン拡大を施行したが、効果は限定的で、手技中にSaO230%台まで低下した。そのため、昇圧剤、ボリューム投与と共に左original BT shuntに対してステント留置術(Nobori 3.5mm x 18mm)施行した。その後低酸素改善認め、ステント留置2ヶ月後には経鼻酸素2L/minでSpO2 70%まで改善し、退院となった。【まとめ】肺血管床の少ない例に対する緊急避難的なstent留置は有効な選択肢の一つと考えられた。