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[II-P23-05] 心臓カテーテル検査における透視時間の到達目標設定
Keywords:研修医, 心臓カテーテル検査, 透視時間
【目的】研修医が第一術者となった心臓カテーテル検査の透視時間を解析し、研修初期および終了時の到達目標を設定する。【対象】2007年10月の当院開設以来、当科で研修した19名の研修医が第一術者となった心臓カテーテル検査における透視時間。研修期間は2~24か月(平均7ヶ月、中央値3ヵ月)、担当検査数は8~262(中央値29)であった。【方法】対象となった全検査および手技が均一と考えられる心房中隔欠損(ASD)の透視時間を回帰分析した。回帰直線の切片を初期透視時間、回帰式から研修終了時点での予想透視時間を求めた。研修期間が2~3年の小児循環器研修医3名の研修1年時での予想透視時間の平均を標準目標時間、+2SDを最低目標時間として、小児科後期研修医16名の研修終了時点での到達数を検証した。【結果】(1)全検査:平均透視時間は13~21分(平均17.6分)。回帰分析では10名で重相関Rが0.2以上の負の相関を示した。回帰直線の切片は15~28分(平均21.2分)、研修終了時点での予想透視時間は平均14.9分であった。標準目標時間は15.9分、最低目標時間は18.3分で、到達数はそれぞれ16名中7名と12名であった。(2)ASD:3例以上経験した15名で解析した。平均時間は11~29分(平均18.8分)。回帰分析では11名でRが0.4以上の負の相関を示した。回帰直線の切片は6~32分(平均22.4分)、研修終了時点での予想時間は平均18.0分であった。標準目標は13.4分、最低目標は16.9分で、到達数はそれぞれ12名中5名と6名であった。【考察】初学者が行う心臓カテーテル検査の透視時間は30分を越えないことを目安とするのが妥当で、約3ヵ月の研修で5~6分の短縮を見込める。透視時間は検査中リアルタイムで確認することができ、簡便である。技能上達過程における第一段階「試行錯誤」、第二段階「意図的な調節」において有用な指標になると考える。ただし最終段階「自動化」においては別の指標が必要であろう。