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[II-P23-06] 頻回のカテーテル後に甲状腺癌を発症した2例
キーワード:甲状腺癌, 被爆, カテーテル
【背景・目的】心臓カテーテルでの被爆線量は、検査機器の改良に伴い軽減している。しかし、依然として被爆線量は高く、患児・術者ともに厳重な管理が必要である。我々は、頻回のカテーテル後に甲状腺乳頭癌を発症した2例を経験した。カテーテルの回数・被爆線量などについて検討した。【症例】症例1:26歳男性。完全大血管転換(1型)で、11日齢にJatene手術を行っている。カテーテル検査は、これまでに8回施行(8日齢にBAS と診断カテ、6歳時にPA plasty 1回、他)している。24歳時にAFLとなり、頸部エコーを行った際に甲状腺癌が発見された。 症例2:19歳女性。大動脈離断・大動脈肺動脈窓・心室中隔欠損に対して、1か月時に修復手術を施行している。カテーテル検査を7回施行(13日齢に診断カテ、1歳時にAo palsty 1回、 14歳・16歳時にPA plasty、他 )している。18歳時に、再手術前のCT検査で甲状腺が発見された。1歳以下/就学前/就学後のカテーテルの回数は、症例1が 2/2/4、症例2が 1/2/4であった。当センターの過去数年のカテーテルでの平均被爆量は、10kg 45mGy, 30kg 115mGy, 50kg 290mGy程度であるが、治療を行う場合は、さらに線量が増加している。また、10年以上前は正確な記録が無いが、被爆線量は近年よりかなり高値である。単純な合計被爆線量は、両症例とも2000mGyを超えると考えられる。【考案】甲状腺癌を発症した2例は、頻回のカテーテル(7回以上・治療を含む)を行っており、いずれも生後2週間以内にカテーテルを行っていた。新生児期のカテーテル・頻回のカテーテル・カテーテル治療を行っている症例では、甲状腺癌などの被爆の合併症に注意が必要である。また、甲状腺などの防御についても検討が必要と考えられた。