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[II-P23-08] 小児循環器領域における非侵襲心拍出量モニター(エスクロンミニ)の有用性
Keywords:心臓カテーテル治療, 心拍出量, エスクロンミニ
【はじめに】非侵襲心拍出量モニター(エスクロンミニ)は、電極貼付のみで簡便に心拍出量モニタリングが可能だが、小児心臓カテーテル検査・治療(カテ治療)での有用性は定まっていない。【目的】カテ治療前後で、エスクロンミニを用いた心拍出量評価の有用性について検討する。【対象/方法】2015/5月-2017/1月に静脈麻酔/全身麻酔下で以下のカテ治療を施行した19例(動脈管(PDA)塞栓術:8、Fontan/Rastelli術後の側副血行路塞栓術:5、肺動脈狭窄に対するステント/バルーン血管形成術:4、Fontan/Rastelli術後のfenestration閉鎖前試験:2)に対しカテ治療前後の一回拍出量SV(ml)、心拍出量CO(l/min)、心係数CI(l/min/m2)を、エスクロンミニを用いて計測した。【結果】PDA塞栓:肺体血流比=1.0-3.0(中央値1.2)、心機能変化は治療前/後でSV18.7±4.3/17.4±3.9(p=0.21)、CO1.9±0.3/1.6±0.2(p=0.03)、CI3.6±0.3/2.9±0.4(p=0.03)。側副血行路塞栓術:SV27.7±9.7/27.7±9.1(p=1.36)、CO2.9±0.6/2.1±0.5(p=0.04)、CI3.0±0.4/2.5±0.5(p=0.05)。肺動脈狭窄拡張術:SV47.3±9.0/48.8±9.5(p=0.71)、CO4.2±0.3/3.6±0.6(p=0.28)、CI3.9±0.7/3.2±0.5(p=0.28)。fenestration閉鎖試験:TCPC症例はSV25/25、CO=CI3.0/2.7と有意な低下なく、コイル塞栓術を施行しSpO2は86%→92%に上昇。肺動脈閉鎖/主要体肺側副血行路のRastelli症例はSV31/32、CO3.3/2.8、CI3.9/3.3と有意な変化はなかったが、肺高血圧を合併しており塞栓術は施行せず。【考察】PDA塞栓直後ではCO/CIが低下したが肺体血流比3.0のlarge PDA症例では直後よりCO/CIが上昇し、低心拍出の改善が示唆された。肺動脈狭窄症例ではCO/CIとも有意な変化はなかったが、運動耐用能が改善した症例もあり、安静時のみの計測では治療効果が判定しにくいと思われた。【結論】治療前後の血行動態評価や治療方針決定の判断にエスクロンミニは有用であった。