The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

電気生理学・不整脈

Poster (II-P24)

Sat. Jul 8, 2017 6:15 PM - 7:15 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Hisaaki Aoki(Department of Pediatric Cardiology, Osaka Women's and Children's Hospital)

6:15 PM - 7:15 PM

[II-P24-04] たこつぼ心筋症を併発したQT延長症候群8型の一例

齋藤 秀輝1, 森 善樹2, 村上 知隆2, 井上 奈緒2, 金子 幸栄2, 中嶌 八隅2 (1.聖隷浜松病院 循環器科, 2.聖隷浜松病院 小児循環器科)

Keywords:QT延長症候群, たこつぼ心筋症, 遺伝子異常

【背景】QT延長症候群(LQT)8型は非常に稀なタイプで、通常Timothy症候群を伴うが、最近、全身症状を伴わぬ症例も報告されている。一方、たこつぼ心筋症は左室心尖部の一過性収縮低下をきたす疾患で小児例の報告は少ない。今回、LQT症候群で心室細動から蘇生に成功し、心エコーでたこつぼ心筋症の所見を呈した1例を経験した。【症例】14歳、男性【既往歴】小児痙攣、小児喘息、広汎性発達障害。心電図検診でLQT の指摘はなかった【現病歴】自宅にて就寝中に心肺停止状態となり、救急要請。母親により直ちに心肺蘇生を開始し、救急車内にて自動体外式除細動器(AED)でショック施行した。来院時は自己心拍再開しており、そのまま緊急入院となった。【経過】入院後、鎮静・人工呼吸・脳低温療法下で管理し、カテコラミンも必要とした。入院時より広汎な誘導で巨大陰性T波およびBazett補正でQTc 695msecのQT延長、および心エコーで心尖部のakinesisがみられた。第3病日に鎮静を中止すると再度心室細動が出現したが、除細動200J 1回で停止した。第5病日に抜管し、その後不整脈の出現はなし。年齢から先天性QT延長症候群の可能性を考え、遺伝子検査を施行。QT延長症候群8型(LQT8)と診断された。蘇生後脳後遺症もなく、現在は植え込み型除細動器(ICD)のみで投薬なしで不整脈なく経過している。心電図上はQT延長が残存しているが、陰性T波は経過と共に消失している。【考察】LQT8はCACNA1C遺伝子に変異を認める疾患で非常に頻度の少ない疾患である。一方で、小児期でたこつぼ心筋症の報告も少なく、この両者の関連の報告は調べた範囲ではない。LQTであり、たこつぼ心筋症が心停止の原因か結果かは不明だが、LQTにたこつぼ心筋症を併発することでさらなるQT 延長、心室性細動を再発した症例と考えられた。