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[II-P24-05] 当科に紹介され、確定診断した先天性QT延長症候群の臨床像
Keywords:QT延長症候群, 地域の現状, 一般小児科医への啓蒙
【目的】当科に最近紹介され確定診断したQT延長症候群(LQTS)をまとめ、今後の当地域の小児診療や学校心臓検診に役立てる。【方法】2015年以降に当科を受診、LQTSと確定診断した例について情報を収集。LQTS確定診断は、二次的要因を除外し、Score 3.5ポイント以上か、病的意義の確定した遺伝子異常を有するかで行った。【結果】該当は3例。(症例1)母が8歳で溺水既往あり、QT延長と、既報の遺伝子異常を指摘され、β遮断薬(BB)内服中。患児は出生病院小児科より当科へLQTSの有無について月齢1で紹介された。QTcF500msと、母と同じ遺伝子異常を検出。BB内服開始。(症例2)7歳1か月、潜水中に意識消失。引き上げられて約20秒で意識回復。近医搬入。QTcF460msだったが、潜水禁止、内服薬なしで経過を見られていた。8歳2か月時、水泳中に再び意識消失。今度は引き上げられても反応が全くなく、教員がAED装着しVF認識、ショック施行され意識回復。当科入院。運動負荷でQT延長増悪、遺伝子検査で既報の異常を認めた。BB内服、管理区分Cで管理中。ICDは説得中。(症例3)父方叔母が分娩後にTdpを起こし、LQTS2と遺伝子診断され、ICD植込みを受けている。患児は小1学校心臓検診でQTcF 500ms以上とnotched Tあったが、近医で運動制限や投薬なしで経過観察されていた。10歳時、ゲームセンターで失神を繰り返し、当科紹介入院。入院翌日にTdpが持続し、心肺蘇生を要した。遺伝子検査は父方叔母と同じ遺伝子異常。BB内服、管理区分C、ICDで管理中。【考察】症例1は出生時よりQT延長があり、当科紹介は早い方が良かった。症例2は初回溺水時の対応に改善点がある。症例3は小1の時点で精査をすべきだった。【結語】ファーストタッチする地域一般小児科医への啓蒙が必要と感じた。